Oil storage tanks in Cushing, Oklahoma.
Photographer: Daniel Acker/Bloomberg
Photographer: Daniel Acker/Bloomberg
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で空前の規模に積み上がった原油在庫はほぼ解消されており、それが原油相場の回復を支えている。
国際エネルギー機関(IEA)によると、昨年の原油需要急減時に先進各国の貯蔵タンクに蓄積された余剰分は、今年2月時点で5分の1程度を残すだけとなっていた。それ以降、洋上備蓄の急減や南アフリカ共和国の主要貯蔵施設での在庫枯渇などで残っていた分も減りつつある。
石油輸出国機構(OPEC)などが供給を絞る一方、不確実ながらも景気の回復によって世界の燃料需要が持ち直しているのを受け、国際的な原油価格は1バレル=67ドル近くにまで上昇している。生産者にとっては恩恵だが、インフレを警戒する各国・地域政府にとっては懸念材料だ。
OPEC、需要改善で石油市場の回復継続を予想-供給過剰を吸収へ
シティグループの商品調査部門の責任者、エド・モース氏は「経済協力開発機構(OECD)全体の商業用原油在庫はすでに5年平均の水準に戻っている」と指摘。「余剰分は、恒久的な原油備蓄を行っている中国にほぼ完全に集中している」と述べた。
Oil's Pandemic Glut is Clearing
OECD inventories are almost back to average levels
Source: IEA
OPECと非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が協調減産を 段階的に縮小し、インドやブラジルでの新型コロナ再流行が需要を脅かす中、世界的な原油余剰の解消にはまだ時間がかかる可能性もある。
それでも、過剰供給の終わりは少なくとも視野に入っていると思われる。IEAの推計では、2月時点の先進国の原油在庫は、2015-19年の平均を5700万バレル上回る水準にとどまり、ピークを付けた昨年7月の2億4900万バレルから減少した。
Draining Saldanha
Saldanha Bay stockpiles will soon be back at year-ago levels
Source: Bloomberg calculation using figures from OilX and ship tracking data
シティグループは、需要がさらに回復し、世界の在庫が今年下期に日量220万バレルのペースで減少すれば、北海ブレント原油は1バレル74ドルもしくはそれを超えて上昇する可能性があると予想。モース氏は「第3四半期は輸送用燃料や石油化学製品の原料としての需要が伸び、原油需要は全分野で記録的水準に達するだろう」と語った。
原題:
Historic Oil Glut Amassed During the Pandemic Has Almost Gone(抜粋)
歴史的な原油余剰、需給改善でほぼ解消-ブレント価格は一段高も - ブルームバーグ
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