1日、韓国のコンビニエンスストアで販売されている「長寿生マッコリ(濁酒)」の価格が1300ウォン(約126円)から1600ウォン(約156円)に上がった。同製品の製造会社が価格を上げたのは15年ぶりだ。会社側は「原材料である米の価格や包装材・流通コストも最近、続々と値上がりしたため、価格を引き上げざるを得なかった」と説明した。大手食品メーカーのCJ第一製糖は今月からコンビニ販売用「ヘッパン・カップご飯」の価格を300ウォン(約30円)上げた。酒造大手のハイト眞露も今月7日からビール出荷価格を5年ぶりに引き上げる。消費財価格の上昇は韓国だけの現象ではない。米コカコーラ本社はこのほど、3年ぶりにコーラ価格の年内引き上げ計画を発表した。 ■世界一食料品価格が高いのはチューリッヒ、ソウル6位、東京は? 国内外で生活必需品・食料品を含めた消費財の価格が次々と上がっている。昨年下半期に始まった原油・鉄鉱石など原材料価格の上昇が、最近の消費財価格を本格的に押し上げ始め、世界的に「インフレーション(物価上昇)懸念」が高まっている。新型コロナウイルス禍を乗り越えるため、各国政府が投入した天文学的な資金が原材料市場に流れ込んだことに、米国・中国の急速な景気回復に伴う需要の爆発が重なった結果だ。米国が新型コロナ関連支援のために注入した資金は3兆7000億ドル(約403兆4500億円)に達する。
消費者物価を示す各種指標も上がっている。国内の消費者物価指数は1年前の昨年5月にマイナス0.3%を記録してデフレが懸念されるほどだったが、先月の消費者物価は2%を超えたと推定される。米国でも、3月の消費者物価指数(CPI)が前月より0.6%、前年同月比で2.6%上昇した。これは2018年8月以降で最大の上昇幅だ。ソウル大学のアン・ドンヒョン教授は「米国のワクチン接種率が40%を超え、消費回復が急速に進んでいる」「原材料価格の上昇に米国の景気回復が重なり、世界的に長期的なインフレ局面に入る可能性が高い」と語った。 価格上昇は鉄鉱石・銅・米・小麦などの原材料から始まり、鉄鋼・繊維などの中間財、生活必需品・食料品などの消費財に移りつつある。 プラスチック製のスプーンやはし、デリバリー用食品容器の最近の価格は、今年初めに比べてそれぞれ10%ずつ上がった。理由は、プラスチック製品の原料であるエチレンの価格が急騰したためだ。基礎石油化学製品であるエチレンはペットボトルのキャップ、フィルム、車の内装材、電子機器、おむつ、マスクなど広範囲に使われている。エチレンの価格は昨年4月末の1トン当たり355ドル(約3万8700円)から、先月末には1105ドル(約12万円)へと3倍以上も上昇した。このため、エチレンが使われる製品の価格も急騰するしかない。世界最大の消費財メーカーの一つ、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は今年9月から生理用ナプキン・おむつ・カミソリの価格を5-10%上げることを先月発表した。ネスレやユニリーバなど世界的な消費財企業も1-3月期の値上げを断行した。 各種衣類の素材として使われるスパンデックスの価格が上がっていることから、服の値段も上がっている。スパンデックスの価格は昨年4月の1トン当たり5800ドル(約63万円)から、今年4月には9200ドル(約100万円)へと58%上昇した。ある衣料メーカー関係者は「既存の服の値段だけを上げることはないので、デザインを変えて値上げするしかない」と話した。
韓国ではパックご飯・ビールも値上げ、原材料価格上昇に伴い世界的インフレの兆し(朝鮮日報日本語版) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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