世界の食料価格、１２か月連続上昇…日本でも家計への影響必至 - 読売新聞

　【ロンドン＝池田晋一】国連食糧農業機関（ＦＡＯ）が３日発表した５月の世界の食料価格指数（２０１４～１６年＝１００）は１２７・１で、１２か月連続の上昇となった。中国での需要増や、投機マネーの食料市場への流入が背景にある。日本でも食品価格の値上がりによって家計に影響が出そうだ。

　食料価格指数は、穀物や肉類、乳製品など代表的な５品目の取引価格を反映しており、食料価格の代表的な指標とされる。ＦＡＯによると、５月の指数は前年同月比で３６・１ポイント、前月比で５・８ポイントの増加で、１１年９月以来、１０年ぶりの高水準となった。トウモロコシや食用油などの上昇が目立つ。

　価格を押し上げているのが、新型コロナウイルスによる景気の落ち込みからいち早く回復した中国だ。養豚用の飼料用穀物などへの需要が今後も増えるとの見通しから、各国の金融緩和で生まれた投機マネーが流入している。コロナ禍の移動制限で農業に従事する外国人労働者が不足していることも生産コストの上昇につながっている。

　日本でも、原料価格の上昇で、食品メーカーが食用油や小麦粉を値上げする方針を表明している。今後、価格転嫁が進めば、家計への影響は避けられない。

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