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Wednesday, June 9, 2021

エーザイ・内藤CEO アデュカヌマブの価格「Value-based Pricingになる」 保険会社や金融会社との協業も | ニュース - ミクスOnline

エーザイ・内藤CEO アデュカヌマブの価格「Value-based Pricingになる」 保険会社や金融会社との協業も

公開日時 2021/06/10 04:53
エーザイの内藤晴夫代表執行役CEOは6月9日の説明会で、米国で迅速承認されたAduhelm(一般名:アデュカヌマブ)について、「薬剤のもたらす多面的な価値によって評価されるべきだ。いわゆるValue-based Pricingになる」との考えを示した。高薬価であることで医薬品アクセスが阻害されることも懸念されるが、「医薬品アクセスの確保は別の課題」と表明。プライシングと医薬品アクセスの2つのポリシーを「同時に実現することが大変重要で、同時に実現することこそが現在、製薬企業最大の使命といっても過言ではない」と強調した。米国では低所得者層も含めたアクセス支援プログラムを導入。アジアでも、保険会社や金融会社との協業などを視野に入れていることも明らかにした。

Aduhelmの年間薬剤費(卸業者購入価格:WACベース)は、平均的な患者が維持投与量を用いた場合で5万6000ドル(約613万円)となる。投与対象は米国で100~200万人、国内で100万人程度と推計されている。一方で、アルツハイマー病によるコストの増大は社会的課題となっている。医療費だけでなく、患者の長期療養施設への入所、患者家族の就労機会の減少など、患者や患者家族の経済的損失が大きいことが指摘されている。実際、2020年には米国で1100万人以上の人が153億時間の無報酬で介護を提供しているとのデータもある。

内藤CEOは、「これらを複合的に評価することで、価値全体が見えてくる」と強調。「価値をしっかりと反映させた価格を構築することは、その薬剤がどれくらい革新的で、いままで実現できなかった価値を当事者や社会にもたらすかを表現する上で極めて重要だ。イノベーションの具体的表現としても欠かさないものとなってくる」との考えを示した。

◎アクセスプログラムを用意 低所得者対策など手厚く 価格は4年間据え置き

一方で、医薬品アクセスの確保については、「各々の国の制度や保険の状況をしっかり勘案したうえで、様々な支援のプログラムやメカニズムを整理し、特に低所得者や社会システムのサービスを相対的に受けることの少ない人に提供できるか、総合的な取り組みを創り上げていくことになる」との考えを示した。米国では、価格を4年間据え置き、退役軍人保険局(VHA)との提携や、全米1400のクリニックのネットワークであるNAFCなどとの提携を視野に入れる。また、検査会社を通じて診断プログラムの無償提供を行うことなども検討する。

内藤CEOは、「審査の進行に応じて、アジアリージョンでもアクセスポリシーをタイムリーに検討する」と表明。このなかには、「中間所得層に対する保険会社との協業による新保険商品の創出、金融会社との協業による患者負担の軽減、保険会社への再保険システムの導入などが含まれる。低所得者層についてはNGO等との連携による提供プラン、互助システムの活用など、革新的モデルを検討することになる」との考えを示した。

◎内藤CEO アリセプト承認から四半世紀「いま感無量の想いがしている」

「今回、FDAのAduhelmの承認を得て、最初に心に浮かんだのは1996年11月25日のアリセプトの米国承認だった。その時より、2021年6月7日、今回承認までおよそ25年、四半世紀がたち、ようやく疾患の原因と考えるアルツハイマー病の病理に作用する最初の治療薬に至ることができた。いま感無量の想いがしている」―。説明会の冒頭で、内藤CEOはこう強調した。2剤の添付文書を比べると、アミロイドベータをはじめとした「バイオマーカー研究やクリニカルサイエンスの革新的な進化を如実に表しているのではないか」と感慨深く話した。

同剤の上市で、同社が注力してきた他産業との協働によるエコシステム「Eisai Universal
Platform(EUP)」も「加速させることができる」と自信を見せる。同剤により疾患の進行を抑制することで、”認知症になってもしっかり生活したい”、”家族に迷惑をかけたくない”、”病気を悪化させたくない”などの患者の憂慮を取り除くことができると強調する。それとともに、エコシステムの「中核である」との考えを表明。医薬品の登場で、バイオマーカー研究が進展することにも期待感を示した。「バイオマーカー情報は、医療専門家に治療についてのガイダンスのアドバイスを示すことを可能とし、疾患啓発、診断・治療・ケアを貫くサービスや、便益の提供を通じ、現在存在する様々なキャズムの解消に一歩前進することができると考える」と強調した。

同社は、抗Aβプロトフィブリル抗体・Lecanemab (BAN2401)、新規抗MTBRタウ抗体・E2814、新規経口シナプス再生剤・E2511など、病態生理の異なる部分に作用する疾患修飾薬を開発中。内藤CEOは、「当事者のバイオマーカー情報に基づき、適切に用いることでアルツハイマー病の根本治療に近づくことができると考えている。エーザイはこれからもこの挑戦を全力で続け、当事者とご家族、そして人々のアルツハイマー病の憂慮を取り除いていくことに貢献していく」と語った。

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