日本海テレビ
わたしたちの生活・身の回りのものにたくさん使われている「木材」いま、この木材の価格が上がっているという。岩本キャスターが解説。 皆さんは「ウッドショック」という言葉を聞いたことは?1970年代に石油の価格が高騰し、世界経済に大混乱を与えたのが「オイルショック」。名前が似ているこの「ウッドショック」は名前の通り、今、世界規模で起きている木材価格の高騰を指す言葉だ。 では、実際どれくらい上がったかのかというスギの柱材の価格の推移をあらわすグラフを見ると、去年5月の1立方メートル当たりの単価は6万7300円。そして今年の5月つまり先月の価格は8万6600円。1年間で1万9300円の値上がり、およそ1.3倍になっている。 ではなぜウッドショックは起きてしまったのでしょうか?鳥取県の県産材・林産振興課 川上敬介さんによると ①日本では建築用木材の半分は海外からの輸入に頼っている ②コロナの影響で海外の木材需要が高まっていること。例えばアメリカはコロナ対策で打ち出した低金利政策でローンが組みやすくなりたくさんの人が家を建てている。 ③世界的なコンテナ不足などで海上輸送が困難なことを背景に挙げている。 これらの理由により、海外からの輸入木材が不足し、補おうと国産材を代わりに使用。しかし急な需要に供給が追いつかず国産材も不足。結果、国内の木を取り合う状況になり価格が上がったという。そして、ウッドショックにより木造住宅を扱う工務店で大きな影響が出ている。 リノベーションやリフォームを主に手掛ける「ふくた」の福田社長に改修工事中の住宅を見せてもらった。今年4月頃からウッドショックの話を聞きはじめその2か月後には実際に木材の仕入れに影響が出てきたという。 ふくた 福田充宏代表取締役:「ここ(リノベーション部分)は何とか頑張れそうだけど、増築秒部分が材料がないということで時間(着工)がずれそうだ」 現時点で、増築部分の着工が1か月ほど遅れる見通しとなっている。この道30年の福田社長だが、このような木材不足は初めてだと話す。 ふくた 福田充宏代表取締役:「これ(ウッドショック)をすぐ解消は我々の力では難しいんだけど、うちはリノベーションということをやっているので、ある材料を生かしながら何とか現場をまわしている。これが長引くかなというのがすごく心配だ」 これからまさに家を建てようとしている人たちにも影響が出そうだ。家を建てるときに一般的な木造住宅は、購入価格のおよそ1割が木材費だと言われている。例えば、3000万円の住宅を購入しようとしていた場合その一割の300万円が木材費だ。そしてその木材費300万がウッドショックにより1.3倍の390万円に。つまり、3000万円のマイホームを購入するのに従来より90万円ほど高くなってしまうそうだ。もちろん今アパートなどに住んでいて家の完成を待っている人にとっては工期が伸びるため家賃も負担となる。 自然豊かな山陰地方には木がいっぱいある。何か対策はないのか?じつはこのウッドショック。いつまで続くかわからないといわれていて長期化する可能性も指摘されている。しかし、鳥取県と関係者は外国の木材が入ってこない今だからこそ改めて県産材の良さを知ってもらい林業での雇用の創出、自然環境の改善にも繋げていきたいと言う。 島根県森林組合連合会 嶋沢和幸代表理事会長:「林業は持続的な産業切って植えて切って植えてということがあるのでぜひ循環利用をこれからもSDGs・カーボンニュートラルにも貢献していくので、やっていきたい。」 県内の木材を使用することは海外から燃料を使って運ぶよりも環境にやさしく、また森林の持続可能な管理も行えるためSDGsの達成にもつながるようだ。また鳥取県では県産材の使用を見直すきっかけにと外国産材から県産材に切り替えて事業を行う県内の製材加工事業者を支援する交付金制度を6月定例議会の一般会計補正予算案として提出している。木は私たちの身の回りの多くのものに使われているからこそ、ウッドショックは県産木材を地元で消費していくひとつのきっかけになるかもしれない。
【解説】木材価格高騰 ウッドショックとは?私たちの生活への影響を解説(日本海テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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