ガソリン価格が2年8ヶ月ぶりの高値となった。今年7月8日にこうした報道がされました。 コロナ禍で世界中のヒトやモノの動きが大きく制限され「コロナショック」といわれる状況のもとで、原油価格が史上初めてマイナスを記録したと騒がれたのが、昨年4月のことでした。 それから、わずか1年数ヶ月。コロナ禍の収束もまだまだ見通せない中で、こうした高値更新の話は何となくしっくりきませんが、ガソリン価格はどんな構造になっているのでしょうか。
コロナショックで大きく変動した原油価格
まずは、原油価格の大きな変動のおさらいです。 国際市場の代表的な指標「ニューヨーク原油」(テキサス産軽質油=WTI)の先物価格(1バレル≒159リットル当たり、米ドル表示)は、2018年と2019年、そして2020年3月6日までは高値70ドル台、安値40ドル台の幅の中で推移していました。 ところが、コロナショックによる経済の大低迷と需要大幅減のため、その後は30ドル台、20ドル台、10ドル台と急落し、ついに4月20日はマイナス37.63ドル(終値)を記録。 消費の激減に原油減産が間に合わず、在庫が急増して貯蔵施設が切迫し、「おカネを付けるから持っていって」という投げ売りになったのです。こうした異常事態は、一時的なものでした。 その後は落ち着きを取り戻し上昇基調に転じて、今年7月6日には一時77ドル近い高値を記録しています。
ガソリン価格の構造は、どうなっているの?
このように原油価格は大きく変動しましたが、生活に身近な石油製品のガソリン価格はどうだったのか。資源エネルギー庁の「給油所小売価格調査」(※1)を見てみましょう。 レギュラーガソリンの価格(全国集計、1リットル当たり)はここ数年で、最低が124.8円(2020年5月11日調査)。先述の「2年8ヶ月ぶりの高値」は157.5円(今年7月5日調査)で、5週連続の値上がりとなっています。 一時は、以前の3分の1や4分の1といった水準まで短期間に急下落していた原油価格。一方、原油から作られるガソリンの価格のふれ幅はそこまで大きくはありません。どうしてでしょうか。 先述のふれ幅も参考に、レギュラーガソリン小売価格を仮に高値154円、安値121円(いずれも消費税込み)としてみた場合の価格構成を示したのが、【図表1】です。
【おさらい】安い時期は長続きしなかった。ガソリン価格はどんな構造になっているの?(ファイナンシャルフィールド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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