中国産マグネシウム地金の対日販価は、直近高値を突破した後もジリ高で推移している。8月10日現在の日本向け価格(CFR、船賃込み本船引き渡し価格)は、7月末価格比200ドル高の3350~3400ドル。原料のフェロシリコンと石炭価格の上昇により、5月半ばの高値を突破した。 アルミの添加材などとして利用されるマグネシウムの中国産地金相場は、新型コロナの感染拡大で昨年9月に底値の1800ドル台の大底を記録したがその後に急回復。今年5月半ばに3330~3380ドルまで急騰して以降は高止まりとなっていた。 足元のマグネシウム価格上昇は原材料高が背景にある。足元のフェロシリコン価格は9千~9500元、石炭は850~900元どころ。非鉄専門商社タックトレーディングの上島隆社長は「1992年にマグネシウムの輸出が解禁されて以降、この価格帯は記憶に少ない」という。さらに「主要生産地の陝西省北部地区では、コークスメーカーがセミコークスの副産物であるコークスガスを使用して製造している。これまではマグネシウムの採算よりも工場の生産バランス維持を優先していたため、マグネシウム価格の上昇には至っていなかった。しかし昨今はセミコークス販売が振るわないため、需要が好調なマグネシウムの販価にコストを転嫁するという構造転換が起きている」と述べる。 こうした変化に対し上島社長は「メーカー側は3400~3500ドルで販売しなければ工場が機能しないと思われる。脱炭素が加速する中で10~30年後にますます厳しくなるとすれば、かつて一般的な価格であった2500~2600ドルの時代には容易には戻らないかもしれない。向こう10年で3千ドル台や4千ドル台が一般的になる可能性もある」と予想した。短期的には「8~9月は石炭需給次第で上下動するだろう。当面は3300~3400ドルのレンジで神経質な動きになるのではないか」と見通した。
中国産マグネシウム対日価格、7月末比200ドル高。石炭価格上昇映す(鉄鋼新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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