中国産金属シリコン価格が歴史的最高値を更新している。原料である石炭価格の上昇や電力制限、硅石品位の低下による生産効率の悪化のほか、アルミ合金やシリコーンなど主要向け先の需要が軒並み活発化。生産量は増えているにもかかわらず供給が追い付いておらず、足元の市況は8月上旬価格に比べて810~1360ドル高となり、歴史的な急騰相場となっている。 アルミ合金の添加材などとして利用される金属シリコンは、中国が世界生産の6割以上を占めており中国製品の価格は指標の一つとされている。主な産地としては新疆地区や雲南省、四川省、福建省が挙げられる。 足元の輸出向け広州価格(FOB)は「2202」が3800ドル(8月初比1020ドル高)、「3303」が3500ドル(同880ドル高)、「441」が3300ドル(同810ドル高)、「553」が3200ドル(920ドル高)。液晶パネル向けが中心の「421」は4千ドル(同1360ドル高)で8月初目に比べて34%上げた。「2202」など高品位品の上げ幅が大きくなっている。 中国産金属シリコン相場は昨年から上げ相場となっているが、今年に入っては上げ幅が加速している。今年1月末比では「2202」が65%高、「421」が82%高、「441」が59%高といずれも大きく上げている。 直近の価格上昇は石炭価格高や電力制限、硅石品位低下による生産効率の悪化が挙げられているが、非鉄専門商社タック・トレーディングの上島隆社長は「今月の一段高は、需要側の旺盛な買い付け意欲が大きい。自動車用アルミ合金、ソーラー関連、シリコーン、半導体のすべてで需要が旺盛。生産が需要に追い付いていない」と指摘。また「仕手筋も553や441にかなり入っているもようで、“パニックバイ“となっている。37年間相場に触れているが、記憶にない価格となっている」と述べた。
中国産金属シリコン価格、月初比810~1360ドル急騰。需要活発で歴史的高値に(鉄鋼新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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