中国で太陽光発電パネル需要が急増する中、原材料となる金属シリコン価格が一段高となっている。太陽光パネルやアルミ二次合金の原料に利用される中級グレード「441」の中国産価格は7日現在、先月後半に比べて800ドル高となる4550~4600ドルを付けた。価格の大幅上伸がアルミ合金のコスト増につながる可能性がある。 アルミ合金の添加材などとして利用される金属シリコンは、中国が世界生産の6割以上を占めており中国製品の価格は指標の一つとされている。不純物の度合いによりグレード分けされており、例えば高品グレードの「2202」はシリコン99・0%超に、鉄とアルミが0・2%以下、カルシウムが0・02%以下のものを指す。太陽光発電パネル向けで主に使用される「441」は鉄とアルミが0・4%以下、カルシウムが0・1%以下のものとなる。 中国産金属シリコン価格は原料である石炭価格の上昇や電力制限、硅石品位の低下による生産効率の悪化のほか、アルミ合金やシリコーンなどの需要増加で高値を更新し続けている。こうした中、脱炭素の流れを受けて中国でも石炭火力発電から風力や太陽光といった自然由来の電力を強化する動きが加速。中央政府の意向もあり、この2カ月間で太陽光発電パネル需要が急増している。この結果、「441」の価格はこの半月で800ドル押し上がる形になっている。 タックトレーディングの上島隆社長は「太陽光パネルの推進は国家戦略。今のシリコン相場でも十分に採算が取れるため、価格よりも数量確保が最優先となっている。中国国内でもアルミメーカーなどは価格で競り負けてしまい、アルミの製造に支障をきたす場面が出てきている」と指摘する。その上で「金属シリコンはディマンドプル相場。生産が追い付いていないため、相場上昇は長期化する可能性がある」と述べた。
中国産金属シリコン価格、中級品「441」が半月で800ドル高。太陽光パネル需要急増で(鉄鋼新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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