9月24日からiPhone 13が発売となる。
シリーズで最も高価なのはiPhone 13 Pro Max・1TBで19万4800円。日経新聞は「iPhone価格、10年で3倍の19万円 日本人平均月収の6割」と報じた。
この記事について
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年9月18日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
この記事に対してBusiness Insiderは「日本のiPhone 13価格はなぜ『平均月収の6割』にもなるのか。金融専門家が示す“弱い円”の現実」という記事を掲載した。
為替で円が弱く、日本の物価が下がり、日本人の所得も伸びていないというわけだ。
かつて、日本は多額の端末割引によって、iPhoneの最新モデルが飛ぶように売れた。というか、割引が高額なので、最新モデルがお買い得だった。型落ちモデルは実質ゼロ円であり、そもそもお金を出す対象ではなかった。
しかし、総務省による割引規制、さらに日本経済の低迷によって、アップルもiPhoneの売り方を変えつつある。
最新モデルは相変わらず高い。しかし、今年のiPhone 12が典型的だが、型落ちになった製品は一斉に値下げに踏み切った。また、2年前のモデルとなるiPhone 11もさらに値下げしているところもある。もちろん、廉価版もiPhone SEが相変わらず人気だ。
最新モデルは、金額がいくらだろうと喜んで我先にと買ってくれる人向けに過ぎない。最新モデルは客寄せ的な位置づけであり、一般ユーザーには型落ちとなり、お手頃価格になったものを売ればいい。
驚きなのが、去年ぐらいからUQモバイル、さらにauのオンラインショップでiPhoneの中古品を買えるようになっている点だ。「au認証品」という触れ込みだが、キャリアのオンラインショップでiPhoneの中古品が手に入る時代となってしまった。
端末購入プログラムでauによって回収されたiPhoneが、整備されて、またauユーザーの手に渡るのだ。
かつて、中古業界団体や総務省が「日本で下取りされたiPhoneが海外に流通している。これは日本で中古品が流通しないように仕向けているのではないか。けしからん」とキャリアに改善を迫っていた。中古業界団体としては、国内に中古のiPhoneが流通し、自分たちで扱えるように総務省にお願いしたのかも知れないが、結局、キャリアが自分たちで扱うようになってしまった。
最新モデルを客寄せ的に扱い、型落ちや中古品をメインに流通させるというやり方は、アップルが海外で得意としてきたやり方だ。
つまり、日本が裕福な国ではなくなり、他の海外諸国と同等の扱いになったということだ。
ウォール・ストリート・ジャーナルでは「中国の消費者からはiPhone 13が比較的、安価な価格設定なので好評だ」という記事を掲載している。
将来的に、海外で使われた最新のiPhoneが買い取られ、中古品となって日本に輸出され、日本人がありがたく海外産の中古iPhoneを使う時代が来るのかも知れない。
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