新型コロナウイルスで停滞した経済活動が回復傾向にあることから、レギュラーガソリンの小売り価格や灯油の店頭価格は去年の同じ時期と比べ大きく値上がりしています。
国の委託を受けてガソリン価格を調査している「石油情報センター」によりますと、県内のレギュラーガソリンの平均小売価格は上昇傾向で、今月4日時点で1リットルあたり156.5円でした。
1週間単位では2週連続の値上がりで、去年の同じ時期と比べると20円以上と大きく値上がりしています。
また、灯油の店頭価格も1776円と、去年の同じ時期と比べ260円余り値上がりしています。
去年、新型コロナウイルスの影響で世界的に停滞していた経済活動が回復傾向にあり、原油価格が上昇していることが主な要因です。
一方、ガソリン価格はおととしと比べても高い水準で推移し、「石油情報センター」では「ブレーキがかからないかぎり、ガソリン価格は上昇傾向が続くのではないか」と話しています。
このところのガソリンや灯油価格の上昇について、市場の動向に詳しい楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストは「昨年、コロナ禍で原油価格は一時、大きく値下がりしたが、その後、原油価格は当時の4倍以上に値上がりしている。世界経済が回復することで消費が増え、それにともなって原油の需要も増えていく」と述べ、世界的な経済の回復基調が原油価格を押し上げ、原油を精製して作られるガソリンの価格も値上がりしていると指摘しました。
その上で、「中国は石炭を使って電力を作っていたが、いまはCO2を多く排出する石炭ではなく排出量がより少ない天然ガスや石油にシフトしている。一方、今では世界最大の産油国になったアメリカでは、脱炭素のムードで石油の産出量が減っている」と述べ、世界的な脱炭素の流れのなか、中国での需要の高まりとアメリカでの供給の減少が原油価格に影響しているとしています。
そして、今後については、「ガソリンも灯油も価格が高止まりするか、少しずつ上がるという懸念がある。実生活への影響が大きくなるタイミングなので注意いただきたい。加えて原油相場に連動する形で日本の輸入天然ガスの価格もあがっているので、電力の価格も、この冬、上昇する可能性がある」と指摘していました。
ガソリン・灯油価格 去年同期比で大きく値上がり|NHK 新潟県のニュース - NHK NEWS WEB
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