22日に9月の全国消費者物価指数が発表された。日銀の物価目標となっている生鮮食品を除く総合指数は前年同月比でプラス0.1%となり、1年6か月ぶりに上昇に転じた。原油価格の上昇を背景にガソリンや灯油などが値上がりし、「Go To トラベル」の反動で宿泊料が上昇して全体を押し上げた。下落要因としては通信料(携帯電話)が大きく、消費者物価を1%程度押し下げる要因となっていた。
これに対して9月の企業物価指数は前年同月比6.3%上昇していた。欧米の物価指数と比較して企業物価指数の上昇幅は納得できるが、消費者物価の前年比上昇率は低すぎる。
それでも今後、日本の消費者物価指数の前年比が次第に上昇してくることが予想される。その原動力となりそうなのが、原油高と円安である。
WTIの原油先物価格は100ドルを目指すような動きとなっているが、前回100ドルを超えたのは2014年であった。
日本の消費者物価指数(除く生鮮)も2014年4月に前年比プラス1.5%まで上昇した。これには原油価格の上昇も寄与していた。また、急激な円安も輸入物価の押し上げ要因となった。
2013年4月末でWTI先物は92ドル台、ドル円は97円台となっていた。これに対し1年後の2014年4月はWTI各は102ドル台、ドル円は102円台となっていた。
原油先物については高止まりといったところだが、円安が進んでいたことは確かである。ここに2014年4月からの消費増税に向けた駆け込み需要なども物価を押し上げたと思われる。
それ以前に消費者物価指数(除く生鮮)が前年比で2%を超えて推移した時期がある。2008年7月と8月で、そのときの前年同月比はプラス2.3%となっていた。
1年前の2007年7月末ではWTI先物は74ドル台、ドル円は119円台。そして2008年7月末のWTI先物は133ドル台、ドル円は108円台となっていた。
この際にドル円は下落していたものの、原油価格の急騰が物価を引き上げたといえる。
当然ながら原油価格と円安だけが物価上昇要因ではないが、消費者物価へのインパクトは大きい。
昨年10月末のWTI先物は35ドル台、ドル円は104円台。10月26日現在でのWTI先物は83ドル台、ドル円は113円台となっていた。
原油価格とドル円の前年比からみると、消費者物価指数はもう少し上昇してもおかしくはない。携帯電話料金が1%程度の引き下げ要因となっているとすれば、それがなかったとすれば少なくともすでに1%台にあり、2%が見えてきていたともいえるのではなかろうか 。それでもまだ日本の消費者物価指数は低すぎるようにみえるのだが。携帯電話料金引き下げによる影響は来年3月まで続く。
今後の日本の消費者物価指数への原油価格や円安による影響も無視できず(久保田博幸) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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