中国産マグネシウム価格が急落している。中国の電力供給再開により原料のフェロシリコンや石炭コストが下落。さらに電力不足による減産を余儀なくされている中国国内ユーザー向けで販売が停滞したため、対日価格は10月末価格に比べてトン1800~2千ドル安の4800~5500ドルとなった。 マグネシウムは主産地の中国が9月、環境負荷軽減のために電力供給を制限したため、生産量が急減して価格が年初比約7倍の一時1万5千ドルと暴騰した。しかしながら国慶節明けに電力供給が再開したことで価格も徐々に下落。10月中旬に8100~8500ドル、10月末には6800~7千ドルとなっていたが、11月4日には4800~5500ドルまで下落した。 非鉄専門商社タックトレーディングの上島隆社長は価格下落について、フェロシリコンの生産復調と石炭価格の下落を材料に上げ「フェロシリコン価格の動向を見ると、マグネシウム価格は3500ドルまで下がる可能性は高い」と述べた。 中国国内のマグネシウムメーカーの操業度は6~7割ほどとされ、一部ではフル操業の工場もあるようだ。また中国国内ではアルミやチタン産業が電力制限の規制を受けているため、国内需要家の買い気は落ち込んでいる。日系企業にとっては需給緩和による調達の容易化が期待されるが、「輸出向けは東南アジアに少量成約した以外は欧州、日本向けも極めて少ない状態」(同)と警鐘を鳴らす。 また現在の状況について、「中国政府が環境対策を一時緩和しているにすぎず、中長期的には脱炭素化の取り組みが強化されるだろう」として取引先に対し「今月から来月にかけて手元に4~5か月分ほどの在庫を手当てしておくことが望ましいのではないか」と通知した。
中国産マグネ価格急落。電力懸念後退、10月末比2000ドル安(鉄鋼新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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