冬の味覚『カニ』シーズン到来 冷凍ガニは価格高騰…背景に「海外での需要の高まり」
更新:2021/11/08 17:45
11月6日に漁が解禁となった日本海の冬の味覚「松葉ガニ」。シーズン到来の一方で、カニを巡る状況は例年通りとはいかないようです。
石川県では今年から県の漁業協同組合が最高級品と認めたズワイカニを『輝』のブランド名で発信しています。記念すべき初競り。つけられた値段は破格の500万円でした。
(競り落とした温泉旅館料理長)
「本当に重たいです。こんなの見たこともないし持ったこともない。手が震えてしまうくらい」
シーズン開始から盛り上がるカニ市場ですが、今年は少し様子が違うようです。
京都府舞鶴市にある「舞鶴港とれとれセンター」では、解禁されたばかりの松葉ガニがたくさん並んでいます。ズワイガニは地域によって呼び名が変わりますが、山陰地方でとれたカニは『松葉ガニ』と呼ばれ、日本屈指の“ブランドガニ”として知られています。松葉ガニなど様々なカニを扱う吉本水産。舞鶴港で競り落とした今年の一番ガニをはじめ、松葉ガニの価格はほぼ例年通りということですが、一方で価格が高騰しているカニがあるんだそうです。
(吉本水産 吉本泰久社長)
「カナダ産とかロシア産の冷凍ガニ、3割から4割あがっています」
大阪中央卸売市場の冷凍ズワイガニの平均価格を見てみると、この5年で徐々に上がり続け、今年に入って高騰。今年9月には去年の1.8倍となる1kg5198円と5年間で最も高い価格となりました。その背景にあるのは海外での需要の高まりです。
(吉本水産 吉本泰久社長)
「海外ではカニをあまり食べなかった。アメリカとか中国とか。みんなが食べるようになってきた。それだけ需要が多いのでどんどん価格があがっていく」
中でも中国では、ズワイカニは「日本料理」として年々人気が高まっていて、日本企業もカニ料理専門店を出店しています。こうした需要とともに価格も高騰しているのだといいます。舞鶴で獲れる松葉ガニは、今は例年と変わらない価格ですが、冷凍ガニの価格高騰が続けば、今後は値上がりすることも考えられます。
(市場の客)
「それはちょっと困りますね。おいしく食べたいのと、お値打ちで食べたいなというのはありますね」
「みんな好きだから買っちゃうんよ。これからお正月とかになったら、どうしてもほしいじゃないですか。だから若干高くなっても買うでしょうね」
地元のカニを扱う飲食店にとって“仕入れ値”は料理の値段に関わるため大きな問題です。
(京舞鶴・池屋 池部保彦店主)
「今のところはそんなに影響ないと思うんですけれども、今後、冷凍ガニを使われるお客さまが地元のカニを使うようになると、また値段も高騰してくると思うんですけれども。やはり仕入れ値が上がると料理の値段を上げざるを得ないかもしれないですね」
一方、今年の松葉ガニの味は?
(京舞鶴・池屋 池部保彦店主)
「初日の競りはちょっと少なかったんですけれども、大きさ・身の入りはよかったと思います。味も最高ですね」
冬の味覚・カニ。上がるのは「美味しさ」だけで価格は「そのままで…」と願うばかりです。
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