原油価格も為替レートもニューヨークで動く
原油を取引する市場がニューヨークにあります。そこには世界中の原油を売りたい人と買いたい人が集まり、「世界価格」が決まるわけです。そして、そこで決まった値段が世界中の石油取引で使われているのです。
実際には原油ではなく「原油の先物」というものが取引されています。これは、原油をすぐに渡すことはできないので、数カ月後に原油と現金を交換するという約束をして、その時の値段を決めているということなのですが、原油を取引しているのと同じことだと考えて良いでしょう。
原油ではなく先物が取引されていることによって、投機家たちも取引に参加しています。値上がりすると思えば先物を買い、現物を受け取る前に先物を売ってしまえば良いので、原油を保管する倉庫等が不要だからです。
したがって、たとえば産油国が「価格を釣り上げるために生産量を減らそう」といった合意をすれば原油価格は上がりますし、世界的な異常気象で電力消費量が増えそうだということになれば「発電のための原油需要が増えそうだから、原油は値上がりしそうだ」という思惑が広がり、原油価格が上昇するかもしれません。
こうして世界中の原油関係者や投機家等々の買い注文と売り注文がぶつかり合って、原油の価格が決まっているので、日本国内のドライブ需要が増えたか否かは、あまり関係がないというわけですね。
ドルについては、円とドルの交換比率に興味のある貿易関係者は日本人と米国人くらいでしょうから、原油と比べれば日本の事情が影響するわけですが、実際には世界中の投機家も取引に参加しているので、やはり世界価格なのです。
特に、米国の金融政策が為替レートに大きく影響するので、世界中の投機家たちが米国の金融政策に関する情報を収集しながらニューヨークで投機に励んでいます。
ところで、原油の取引が産油国ではなくニューヨークで行われている理由は、「皆がニューヨークで取引をしているから」ということのようです。原油を売りたい人は、ニューヨークへ行けば買い手がみつかると考えてニューヨークへ来るわけですが、それによって原油を買いたい人もニューヨークへ来るようになる、というわけですね。
このように、たまたまニューヨークで取引をしている人が多いと、皆がニューヨークへ来るので、ますますニューヨークに取引が集中するといったことは様々な場面で目にします。
たとえば東京が大都市なのも、仕事を探している人が東京へ来て、労働者を探している企業も東京へ来る、といったことがずっと行われているからなのですね。
高騰するガソリン、価格変動のメカニズム。日本の需給は関係ない!? - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス
Read More
No comments:
Post a Comment