石油価格の上昇が止まらない。ロシアがウクライナ侵攻を始めた後、指標となるテキサス産軽質油(WTI)の先物価格は、約7年ぶりに1バレル=100ドルの大台を突破した。原油価格は一時、1バレル=130ドル台まで急騰。2008年に付けた史上最高値である1バレル=147ドルを上回る可能性もある。
WTIの先物価格は、新型コロナウイルス感染拡大の初期にあたる2020年4月、1バレル=0ドルを下回り、一時、1バレル=マイナス40ドルまで下落した。自家用車や飛行機向けなどの需要が減り、米国内で原油貯蔵用の保管スペースがまもなく満杯となるとの懸念が強まった。
「お金を払わないと引き取ってもらえない」というやっかいな状態に陥ったわけだが、そこから2年足らずで切り返す展開となった。
今回の原油高は、大きく分けて三つの要因が絡み合っている。
一つ目はもちろん、ロシア軍によるウクライナへの侵攻だ。石油輸出国機構(OPEC)のデータによると、世界の原油生産に占めるロシアの割合は約14%で世界2位。サウジアラビア、米国と肩を並べる主要産油国であるロシアの混乱は、原油の買い手にとって望ましい状況とは言えない。
西側諸国は、ロシアに厳しい経済制裁を実施。米国はロシア産原油の輸入禁止を発表した。英国も段階的に禁止する。エネルギー事情の異なる日本や欧州連合(EU)は、輸入禁止措置まで踏み込んでいないが、今後の展開次第では、どう転ぶか分からない。
米金融大手のJPモルガン・チェースは「ロシア産原油の供給混乱が続いた場合、(WTIとほぼ同様の動きをする北海ブレントの先物価格が)年末に1バレル=185ドルに達する可能性がある」とみている。
下がりにくい原油価格、三つの理由 - 読売新聞オンライン
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