普段以上に「買うなら今」と言いたい――。先週のアキバ速報で触れたPCパーツショップの言葉だが、それを強く裏付ける状況になっている。
先週目立っていた9万円切りのGeForce RTX 3070 Ti搭載グラフィックスカードや、5万円切りのRTX 3060搭載カードなどは、もう見つけることができなかった。
「やっぱり円安の影響が一番大きいと思いますよ」
あるショップは「円安の影響がついに来たなと思いましたね。大型連休まではそれまでのストックもあり、どこの代理店さんも値上げせずに踏ん張っていた感じがします。大型連休で在庫がなくなり、次に来るのは円安になった後のパーツ。これまでの無理もあって一気に反転しだしたのでしょう」と語る。
加えて、「秋葉原の事情として周辺店舗との兼ね合いもあります」(別のショップ)という。「いつ値上がりに動くか、チキンレースみたいな状況がありましたが、それが崩れてきていますね」(同)。
そうした動きが目立つようになってきたが、それでも今週末は10万円切りのRTX 3070 Ti搭載カードや6万円切りのRTX 3060搭載カードは、かろうじて見つけることができる。そこで語られるのは冒頭の言葉だ。
「買うなら今です」(複数の店舗)
円安以外にも、半導体不足やコロナ禍や国際情勢による供給不安などが市場に横たわっており、値下がりに転じる材料は見当たらない。
価格の上昇は、グラフィックスカード以外にも数多く見られた。
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HDDやSSD、Core iシリーズの値上がりも
他のパーツでも値上がり傾向が見られる。しかし、値上がりが目立つジャンルはショップによってバラバラだ。
ストレージを見ても、「HDDは複数のメーカーの仕入れ値がグンと上がりました。SSDはまだ踏ん張っていますね」(TSUKUMO eX.)という声がある一方で、「目立つのはNVMe SSDです。一部メーカーの1〜2TBモデルは、従来の水準から明らかにはみ出した価格になっています」(パソコン工房 秋葉原BUYMORE店)という声もある。
仕入れ先の代理店のスタンスによって値上がりポイントが違って見えるのは、複数箇所にひび割れが生じたダムのような状況かもしれない。プロセスが多少異なっても、決壊してしまった先は同じだ。
CPUも、売れ筋となっている第12世代Core iシリーズの値上がりが始まっている。TSUKUMO eX.は「エントリーからハイエンドクラスまで軒並み上昇していますね。一気にというわけではなくじわじわですが、しばらく続きそうです」という。
その中で、最上位のCore i9-12900KSだけは値下がりが見られ、キャンペーンの適用などで税込み10万円を切るショップが複数あった。某ショップは「目立つところは頑張って値下げして、全体的な上昇感を抑えたいのかも」と想像していた。
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