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Saturday, September 10, 2022

コロナ禍で中古バイクの価格が高騰している理由|@DIME アットダイム - @DIME

2020年から続く新型コロナウイルスの蔓延、それに伴うバイク部品や半導体不足・物流の混乱・生産遅延など断続的に発生しているにも関わらず、国内の新車出荷台数は上昇の傾向を見せるバイク業界。

バイク未来総研は、中古バイクの価格高騰について独自考察を交えたレポートをオウンドメディア内にて公開した。

注目6車種の過去3年間の中古オークション相場から見る需要の変化

下記の図は、6車種を新車価格と年ごとの中古オークション価格で集計し、推移を表したものだ。今回は主に現在も新車で購入できる、それぞれ特徴をもったバイクに焦点を当て、考察していく。

コミューター代表「ホンダ・PCX」

スクーターは通学や通勤と生活面での需要が高いため、新型が出たら前回モデルの価格は下がる傾向にあるが、PCXは新型が登場しても前回モデルの価格が上がっている珍しいモデルだ。

前回モデルのPCXは、PCX(最新)が2021年3月頃に中古市場にでてきたタイミングで一時価格が下がったが、同年9月頃から上昇に転じていた。

PCX(最新)もほぼ新車価格に近い価格で取引されていることから、新車の納車遅延が現行モデルのみならず、旧モデルの価格にまで影響を与えている様子が見て取れる。

人気爆発中の小型レジャーバイク「ホンダ・CT125ハンターカブ」

CT125ハンターカブが販売されたのは2020年6月頃であり、同年4月は緊急事態宣言が発令された時期に当たる。発売当時は、コロナ禍によるアウトドアブーム等やバイク志向の高まりもあり、発売当時から新車価格を上回る価格で取引されていた。

2022年7月にホンダは現行モデルの一部機種について注文が生産計画に達した場合、受注を一時停止する旨を発表しており、受注一時停止機種の中にはCT125ハンターカブも含まれる。

人気が高く入手困難なバイクが受注一時停止になるということは、今後の需要、価格がさらに高まる要因になるかもしれない。

初心者や女性にも大人気の「ホンダ・レブル250」

近年の軽二輪で人気があるレブル250は、2020年12月頃から価格が上昇し、2021年6月頃には新車価格を超える時期もあった。今では新車価格を下回り、落ち着いてきているところを鑑みると新車の需要と供給のバランスが取れている。

現在は落ち着ている価格も前述した受注一時停止機種にはレブル250も含まれるため、受注停止後の需要動向によっては再度価格が上昇する可能性も。

令和に復活したクォーターマルチ「カワサキ・Ninja ZX-25R」

Ninja ZX-25Rは、発売発表時からエンジンや仕様が話題を呼んだバイクだ。人気の高さとCT125ハンターカブと同様にコロナ禍に販売したため入手困難の要因が重なり、発売から数か月後には新車価格を超えるプレミアム価格がついた時期もある。

2021年5月頃から価格は下がり始め、2022年1月頃には新車価格を下回り通常の相場まで落ち着いた。今後はレブル250と同様に需要と供給のバランスがとれているため急激な価格変動の可能性は低いものと予想される。

永遠のスタンダードネイキッド「ホンダ・CB400 SUPER FOUR」

CB400 SUPER FOURは、ネイキッドブームが盛り上がりつつあった頃に販売され、エントリーライダーからベテランライダーまで年代や経験を問わず、多くのバイカーに支持されている。

新車が手に入りにくいため、すぐに購入できる中古の人気が高まり、2021年5月頃から価格が上昇、同年10月には新車価格を上回る事態に。さらに2022年4月にホンダが『同年10月生産分をもって生産終了とさせていただきます』と発表。

ロングセラーの人気車種に加えて、生産終了し絶版車になるということは、年式の古さや状態で価格が下がるものがあるものの、新車に近い状態のものはすでに大きく値上がりし、新車価格を超えるプレミアム価格になっている。またPCX同様、旧型となるNC39型も価格が上昇傾向にある。

ネオレトロブームをけん引「カワサキ・Z900RS」

近年の中古市場で需要の高いZ900RSはCB400 SUPER FOURと同様、需要が供給を上回ることにより2021年3月から価格が上昇、翌々月には新車価格を上回り何度かプレミアム価格まで上昇した。

2022年入り、新車価格と同水準まで落ち着いてきたが、2022年にカワサキが『生産台数の確保ができない等の状況が発生しております』と発表していることや、Z900RSが多くのライダーから支持されていることを鑑みると今後も高水準を維持すると予想される。

今後の市場動向

バイクメーカーからの供給が遅延している背景には、要因の一つとして半導体部品の不足にあるが、半導体メーカーは、より市場の大きいスマートフォン等の電子機器向けの供給を優先し、シェアの低い自動車・バイク向けの増産には消極的だとの話しも聞こえてくる。

IntelのCEOを務めているPat Gelsinger氏は、半導体不足は半分を過ぎたところで2024年まで続くと予想している。

今後は、レブル250やNinja ZX-25Rのように需要と供給のバランスが取れているバイクは通常の相場で推移することが予想されるが、PCX、CT125ハンターカブ等、引き続き需要が高いバイクやCB400 SUPER FOURのように絶版車となるバイクは高水準で推移することが見込まれる。

関連情報:https://www.8190.jp/bikelifelab/notes/bikefuture/220800/

構成/Ara

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