11月の米個人消費支出(PCE)価格指数は減速し、一方で支出は伸び悩んだ。米金融当局による追加の引き締めが予想される中、これまでの利上げが物価上昇圧力と需要の両方を抑制するのに寄与していることが示唆された。
キーポイント |
---|
|
インフレ調整後の実質PCEは前月から横ばいとなり、7月以来の弱さとなった。市場予想(0.1%増)も下回った。外食や宿泊関連を中心にサービス支出は伸びたが、新車を中心に財への支出が減少した。
11月の消費者物価指数( CPI)と同様に、PCE価格指数でも物価圧力の緩和とインフレの頭打ちを示唆した。今後1年にインフレ率が急速に低下すると予想する声は多いが、金融当局は最終的に2%の目標まで低下させることを目指している。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見で、「インフレ率が持続的な形で鈍化していると確信する」まで利下げを検討することはないとし、「それにはしばらくかかる」と明言した。
パウエル議長が高金利長期化を警告もウォール街の投資家は半信半疑か
金融当局の見解変わらずか
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のエコノミスト、アナ・ウォン、イライザ・ウィンガー両氏は「力強い賃金収入と実質所得は、労働市場がまだ意味ある形で落ち着いていないことを示唆する。この統計を受けて、フェデラルファンド(FF)金利が最終的に5%を超えるとの見解を金融当局が撤回する可能性は低い」と指摘した。
パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェファードソン氏はリポートで、「消費者が一段と慎重になると考えるのは妥当なようだ。パンデミック時に積み上げた貯蓄の約半分を既に取り崩しており、労働市場の状況は軟化している」と指摘。第4四半期は消費が力強いペースで拡大しているとの見方を示したが、「来年の第1四半期もそのペースを維持したら驚くだろう」と記述した。
貯蓄率は2.4%に小幅ながら上昇した。上昇は7月以降で初めてだが、なお歴史的な低水準近くにある。
インフレ調整後の財への支出は0.6%減少し、2月以来の大幅減となった。サービスへの支出は0.3%増加した。
賃金上昇とガソリン価格の下落で多くの米国民は支出を続ける資金を得たようだ。インフレ調整後の実質可処分所得は0.3%増加。インフレ調整前の賃金・給与は2カ月連続で0.5%増となった。
一般的にPCE価格指数はCPIよりも緩やかに減速するとエコノミストの間では考えられている。米金融当局はコアPCE価格指数が来年末までに3.5%前後に低下すると予想している。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題: US Core PCE Inflation Cools, Consumer Spending Misses Forecasts (抜粋)
(第4段落以降を加え、更新します)
米PCEコア価格指数、11月も減速続く-支出は予想下回る - ブルームバーグ
Read More
No comments:
Post a Comment