農林水産省が21日に発表した2月の食品価格動向調査によると、生鮮品や加工品の幅広い食品が値上がりしていることがわかった。「価格の優等生」とされてきた鶏卵の小売価格は、過去5年間の平均価格と比べて、25%も上昇しており、家計を悩ませている。
今月13~15日に全国のスーパーなど470の小売店で調査した。品目ごとに、2月の平均価格を、過去5年間の2月の平均価格と比べた変化率を平年比として公表している。小売価格なので、家計の実感に近い。
サラダ油(1000グラム)は税込み501円で、平年比で43%高く、伸び率が大きい。原材料費の上昇もあって、値上げを繰り返した。サケ(100グラム)は324円で、30%高かった。牛乳(1リットル)も288円となり、10%上昇した。
日頃は割安な印象のある鶏卵も例外ではない。1パック(10個入り)は262円で、昨年2月より48円も高くなった。
東京都江東区のスーパー「たつみチェーン豊洲店」では、週に1度の鶏卵の特売を1月から休止した。鳥インフルエンザの感染が爆発的に広がり、供給量が減っているためだ。仕入れ価格は例年に比べて1パックあたり50円ほど上がっているという。
村松義康店長は「発注した量の5分の1ほどしか入荷しなくなった」と品薄感に頭を悩ませている。
状況がより深刻なのは、食品メーカー向けなどの加工用だ。鶏卵卸大手「JA全農たまご」によると、東京地区の2月の月間平均卸価格は、Mサイズ1キロ・グラムあたり325円。昨年2月は175円だったので、1年で2倍近くになった。
食品メーカーや外食チェーンの対応も広がりを見せている。すかいらーくホールディングスは、「ガスト」でパンケーキやガパオライス、「バーミヤン」で天津飯の販売を16日から休止した。
キユーピーは4月1日出荷分から、家庭用や業務用の商品を値上げする。家庭用のマヨネーズ(450グラム)は、税込み475円が520円となる。
手ごろな価格で食卓に上る機会の多いサバが、不漁になっている。水産加工大手では、缶詰の値上げや販売休止に追い込まれる動きも出てきた。
マルハニチロは21日、サバ缶のほぼすべてとなる26商品の参考小売価格について、4月1日納品分から11~23%値上げすると発表した。主力の「さば水煮」は、税込み281円が346円になる。値上げは、包材費などの上昇で缶詰の大半が対象となった昨年3月以来。
サバ缶は、健康志向や調理のしやすさで人気が高まっていた。脂がのる秋から冬にかけて水揚げされたサバを加工するが、日本近海のサバは記録的な不漁で、主要な漁港では水揚げ量が例年の3割程度まで減少しており、価格が上昇した。
大手水産加工の極洋は、今月3日出荷分から、サバ缶のほぼ全商品で販売を休止した。再開は未定だという。豊漁となっているイワシの加工品に注力する。担当者は「不漁で値上げしたことはあったが、販売を休止するのは過去に例がない」と話している。
「価格の優等生」鶏卵25%値上がり、家計直撃…食品全般で上昇 - 読売新聞オンライン
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