ブランドを信頼し愛着を持たなければ、家族や友人に薦めることはできない。つまりNPSのスコアの高さは「ファン」の割合が高いことを示す。今回の調査で改めて見えてきたのは、必ずしも大手ばかりが愛されているわけではないということ。そのことを示した業種の1つが回転ずしだった。
回転ずしは、すしを身近な食べ物へと変えた
この業界では大手チェーンだけでなく、事業規模も経営方針も異なる中堅チェーンも集客でしのぎを削る。今回のランキングで首位になったのは、スシローでもくら寿司でもない。大手との価格での真っ向勝負を避けつつ地歩を固めてきた中堅チェーンだった。
機械に「ありがとうございました」とは言わせない
トップとなったのは「すし銚子丸」だ。運営会社の銚子丸は関東1都3県に約90店を展開し、売上高は約170億円(2022年5月期)。規模で劣る同社がなぜ高い評価を受けているのか。その戦略を紹介しよう(ランキング表は次ページに)。
「いらっしゃいませ」「こちらお薦めですよ、いかがですか」──。入ってまず驚くのは、板前やホールスタッフからの声がけが多いことだ。
すし銚子丸では板前が客の目の前ですしを握る(千葉市のすし銚子丸 宮野木店)(写真:的野弘路、以下同)
大手の店舗では、タッチパネルでの注文やセルフレジでの会計が一般的になり、店員と一度も顔を合わさずに食事が済んでしまうこともある。これに対し、銚子丸の石田満社長は「人を削減するためだけのデジタル技術は使わない」と話す。
例えば、注文用のタブレット端末。「会計」ボタンを押すと必ずスタッフが来て「ご注文はおそろいですか」と確認してからレジに案内する。レジも無人ではなく、操作はスタッフが行うセミセルフタイプ。機械に「ありがとうございました。またお待ちしております」と言わせることはできるが、銚子丸はあえてそうしない。
スタッフが来店客を出迎えるのにも理由がある。板前に「新規3名様です」と声をかけながら案内することで、客と板前をスムーズにつなぐ役割を果たしているのだ。
お薦めの回転ずし首位はあの伏兵 価格競争せず接客で「下克上」 - 日経ビジネスオンライン
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