債券相場は下落が予想されている。米個人消費支出(PCE)価格指数の予想を上回る伸びを受けて積極的な利上げ観測が高まり、米長期金利が上昇した流れを引き継ぎ、先物市場で売りが先行する見通し。一方、日本銀行が指し値オペに加えて、定例の国債買い入れオペを実施することは相場を下支えする見込み。この日の次期日銀総裁候補の植田和男氏への参院での所信聴取は前週末で相場の材料として消化済みとの見方が出ている。
また、10年国債カレント3銘柄に対する国債補完供給の最低品貸料見直しなど、27日から始まる 金融調節措置が相場に与える影響も注視される。新発10年国債利回りは日銀の許容幅上限0.50%付近で推移すると予想されている。
長期国債先物(3月物) | 146円40銭台半ば~146円60銭台半ば(24日は146円60銭) |
新発10年物国債(369回債)利回り | 0.500%程度(24日は取引不成立) |
先物夜間取引で3月物は序盤に146円68銭まで買われた後、米長期金利の上昇を背景に徐々に水準を切り下げ、146円45銭まで売られたが、取引終了にかけて値を戻し、結局は24日の日中取引終値比1銭安の146円59銭で引けた。
市場関係者の見方
東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト
- 米10年国債利回り上昇など他市場は逆風。強かった米1月PCEデフレータが主因。先物は先週末に大きく戻しており、きょうの債券相場は下落と予想する
- ただ、夜間取引は下げ渋った。現物は年度末に向けて1月の売りの買い戻しもあって超長期ゾーンが引き続き底堅いとみられ、 日銀の国債買い入れも一定にサポートになろう
- 植田氏の参院での所信聴取は、先週末で材料としては消化済みであり、あらためて参院の聴取で反応することはないと判断
- 新発10年物369回債利回りの予想は0.500%、先物中心限月では146円45銭~146円64銭
日銀オペ
- 定例の国債買い入れオペの対象は残存期間3年超5年以下、5年超10年以下、10年超25年以下
- 10年国債を0.50%の利回りで無制限に買い入れる指し値オペを毎営業日実施。チーペスト銘柄を対象とした指し値オペも当面継続
- 10年国債カレント3銘柄に対し、国債補完供給の最低品貸料 見直しと指し値オペ上の措置
- 備考:日銀国債買い切りオペの結果
背景
債券下落か、PCE価格指数で米金利高-植田氏所信聴取は消化済み - ブルームバーグ
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