拼多多は2022年以降、中国のEC市場で“独り勝ち”を続けていた(写真は同社ウェブサイトより)
低価格販売が強みの中国の電子商取引(EC)大手、拼多多(ピンドゥオドゥオ)は3月20日、2022年10~12月期の決算を発表した。同四半期の売上高は前年同期比46%増の398億2000万元(約7607億円)、純利益は同43%増の95億5370万元(約1825億円)に達し、大幅な増収増益を達成した。
にもかかわらず、株式市場は即座にネガティブな反応を示した。業績がアナリストの事前予想に届かなかったためだ。アメリカのナスダックに上場する拼多多のADS(アメリカ預託株式)は、一時18%余り急落。3月20日の終値は78.91ドル(約1万381円)と、前営業日の14.2%安で引けた。
中国のEC業界では2022年以降、最大手の阿里巴巴集団(アリババ)や第2位の京東集団(JDドットコム)の業績が伸び悩むなか、拼多多が“独り勝ち”を続けていた。直前の2022年7~9月期には、売上高が前年同期比65%増、純利益が前年同期の約6.5倍を記録していただけに、10~12月期の業績は「成長鈍化の兆し」と受け止められた格好だ。
「Temu」は先行投資の段階
拼多多の最近の事業戦略に関しては、海外市場向け越境ECアプリ「Temu(テム)」の急拡大に注目が集まっている。同社の董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)を務める陳磊氏は、決算算説明会でTemuについて言及し、「まだ(事業化の)初期段階にあり、多くの経験を蓄積して多数の困難を克服しなければならない」との考えを示した。
また、拼多多の財務担当副総裁を務める劉珺氏は、「現段階では業績全体へのTemuの影響は小さい」と付け加えた。
Temuは2022年9月に、まずアメリカでサービスを開始。2023年に入ると2月にカナダ、3月にオーストラリアとニュージーランドに進出した。中信証券のレポートによれば、Temuは2023年中にヨーロッパの27カ国で事業展開することを目指している。
本記事は「財新」の提供記事です
予想を超えるハイペースでのTemuの拡大は、拼多多の流通取引総額(GMV)を押し上げる新たなエンジンになる可能性がある。とはいえ、Temuは(顧客獲得や知名度向上のために)莫大な先行投資を必要とする段階にあり、「赤字額も予想を超えるかもしれない」と、上述のレポートは指摘している。
(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は3月21日
中国低価格EC「拼多多」、増収増益でも株安の不安 - 東洋経済オンライン
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