Patrick Wingrove Michael Erman
[29日 ロイター] - バイデン米政権は29日、高齢者向け公的医療保険「メディケア」の対象となる医療用医薬品(処方薬)の価格を交渉で決める制度を最初に適用する10品目を発表した。ともに米製薬大手のブリストル・マイヤーズ・スクイブとファイザーが共同開発した売れ筋の塞栓症薬「エリキス」が含まれた。
バイデン大統領が昨年署名して成立したインフレ抑制法(IRA)では、65歳以上の米国人を対象とし、約6600万人に適用されているメディケアに関し、最も高額な医薬品の一部の価格交渉を認めた。
2026年から新たな価格を適用する10品目について交渉を始める。この仕組みにより、31年までに年間250億ドルの薬価削減を目指している。
バイデン大統領は声明で「製薬大手の懐を潤すためだけに、米国人が救命処方薬に先進国のどの国よりも高い支出を強いられる理由はない」とし、価格交渉によって現在は最大で年間6497ドルもの自己負担を強いられている最大900万人の高齢者の薬価が下がることになると訴えた。
他に対象となったのは米メルクの糖尿病治療薬「ジャヌビア」、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の抗血栓薬「イグザレルト」、米バイオ医薬品大手アッヴィの血液がん治療薬「イムブルビカ」、アムジェンの慢性関節リウマチ治療薬「エンブレル」、ドイツのベーリンガーインゲルハイムと米イーライリリーが共同開発した糖尿病治療薬「ジャディアンス」、J&Jの関節炎・クローン病治療薬「ステラーラ」、デンマークのノボ・ノルディスクの「インスリン」。
医薬品メーカーの株価は29日の寄り付き前の時間外取引でほぼ横ばいだった。
米国の法律は従来、約20年前に始まった処方薬制度の一環としてメディケアの対象となる処方薬の価格交渉は禁止していた。
米、メディケア価格交渉の当初10品目発表 塞栓症薬「エリキス」など - Newsweekjapan
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