Rechercher dans ce blog

Wednesday, August 16, 2023

ビッグマック価格で見れば1ドル81円、為替相場はとんでもない円安 - 日経ビジネスオンライン

ビッグマックの今年の値上がり率は、米国より欧州やカナダで大きい。結果として、購買力に基づく各通貨の価値と為替市場での価値は接近した。ビッグマック指数に基づくドルの価値は81円で為替市場より大幅に安い。この状況は日銀の利上げまで続く。

日銀の植田和男総裁は7月、長短金利操作の修正を決めた(写真=ロイター)

日銀の植田和男総裁は7月、長短金利操作の修正を決めた(写真=ロイター)

 米国のインフレは、米国経済に、そして世界の金融市場全体に爪痕を残している。もちろん、米マクドナルドの店頭にもだ。

 本誌(英エコノミスト)は1986年以降、ビッグマックの価格を世界中で追跡調査している。各国通貨のフェアバリュー(公正価値)を測る簡便な指標とするためだ。

 このビッグマック指数調査によると、2023年7月における米国のビッグマックの中間価格は5.58ドル(約800円)で、1月から4%以上上昇した。前年同月比では8.3%の値上がりだ。12年7月以来の高い上昇率となった。

カナダの値上げ幅は米国の4倍

カナダの値上げ幅は米国の4倍

●ビッグマックの値上げ幅 注:現地通貨による。期間は2023年1~7月 出典: McDonald’s/Refinitiv Datastream/TheEconomist

 しかし、他国との比較で言えば、米国人はやや恵まれている。1~7月のビッグマック価格の上昇率は、ユーロ圏と英国では米国の2倍以上、カナダでは4倍近かった(グラフ参照)。

 このことは、通貨のフェアバリューについて何を意味するのだろうか。

 購買力平価(PPP)説によれば、通貨の基本的価値は、その通貨で購入できる財やサービス(例えばハンバーガー)の量で表される。ビッグマックの価格が上がれば、購入できる数が減る。ゆえに、その通貨のフェアバリューは低下したことになる。

 ビッグマックの値上げペースは米国よりも欧州、日本、カナダのほうが速いため、これらの地域の通貨が持つ購買力は、ドルよりも急速に低下している。

 各国の値上げペースに差が生じた結果、各通貨のフェアバリューは為替市場における価値に近づいている。

 ハンバーガーの購買力に基づいて計算したユーロの1月のフェアバリューは1.1ドルだった。10ユーロで買えるビッグマックの数が、米国において11ドルで買える数と同じだったからだ。しかし、そのとき外国為替市場で、10ユーロは10.9ドルでしかなかった。為替市場において、ユーロは安く、ドルは高く見えた。

 しかし、状況は変わった。

この記事は有料会員登録で続きをご覧いただけます

残り1095文字 / 全文1995文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「世界鳥瞰」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

Adblock test (Why?)


ビッグマック価格で見れば1ドル81円、為替相場はとんでもない円安 - 日経ビジネスオンライン
Read More

No comments:

Post a Comment

アマゾン、独禁法違反疑い - 下野新聞

[unable to retrieve full-text content] アマゾン、独禁法違反疑い    下野新聞 アマゾン、独禁法違反疑い - 下野新聞 Read More