[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日発表した9月の個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比3.7%で、8月の3.8%から低下し2年余りぶりの低水準となった。
一方、個人消費支出(PCE)は前月比0.7%増で、8月(0.4%増)から予想以上に伸びが加速し、市場予想の0.5%増を上回った。しかし、コロナ禍中に積み上がった過剰貯蓄は解消されつつあり、支出は2024年初めには停滞する見通しで、エコノミストの間では米連邦準備理事会(FRB)が利上げサイクルを終了したという見方が優勢。
BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアティエリ氏は「米消費者は先月も勢いを保っており、その流れが今四半期も続くリスクがある」と指摘。「支出と経済が第4・四半期に急激にシフトダウンすると見込んでいるが、FRBが根強いサービスインフレ抑制に向け必要とされる以上に、これら両方が過熱することがリスクだ」と述べた。
9月の個人消費支出はモノが0.7%増で、処方薬やライトトラック、食品および飲料などの伸びが主導した。サービスも、旅行や住宅、公益料金、ヘルスケアなどが堅調で、0.8%増加した。
インフレ調整後の個人消費支出は0.4%増と、8月の0.1%増から伸びが加速した。第2・四半期の低迷から回復しており、第4・四半期の支出が拡大する可能性がある。
ただ、9月の支出は貯蓄切り崩しによるものとみられ、今後支出が失速する可能性がある。
所得は0.3%増と、前月の0.4%増から鈍化。賃金の伸びも先月の0.5%から0.4%に減速した。
貯蓄率は3.4%。8月は4.0%だった。
コアPCE価格指数の前月比は0.3%上昇。8月は0.1%上昇だった。
PCE価格指数は前年比3.4%上昇、前月比0.4%上昇でいずれも8月と同じだった。
食品は0.3%、エネルギーは1.7%それぞれ上昇した。
住宅関連を除くコアPCE価格指数は0.2%上昇と、小幅な伸びにとどまった。エネルギー・住宅を除くPCEサービス価格指数「スーパーコア」は0.4%上昇と、8月の0.1%から伸びが加速した。
米9月コアPCE価格指数+3.7%、約2年ぶりの低い伸び - ニューズウィーク日本版
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