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Saturday, November 18, 2023

ホンダ 新型WR-Vの価格は205万円前後〜! ヴェゼルとの比較や内装、外装、サイズなどを解説|【話題を先取り】新型 ... - MOTA

公開日:    最終更新日:

2023年は新型SUVが豊作! ホンダは新型WR-Vを追加

最近はSUVの新型車が数多く登場しています。トヨタ 新型クラウンはシリーズ化され、従来のセダンに加えてクロスオーバー/スポーツ/エステートと3種類のSUVが用意されました。またスバル レヴォーグには、SUVの派生モデルとなるレイバックが加わりました。

2022年には、ホンダからも新たなSUVモデルである新型ZR-Vを発表。

さらに今回、新型WR-Vも追加投入することになりました。

まず注意したいのは「WR-V」の車名です。従来のWR-Vはマレーシアなどで販売されるコンパクトSUVですが、日本で今回販売される新型WR-Vはそれとは異なります。

日本で販売される新型WR-Vは、インドの工場で生産される輸入車です。インドではWR-Vよりボディが少し大きな「エレベイト」が販売されています。

新型WR-Vのレビュー・評価

外観

3.0

★★★☆☆

内装・居住性

3.0

★★★☆☆

走行性能

3.0

★★★☆☆

運転のしやすさ

4.0

★★★★☆

乗り心地

3.0

★★★☆☆

燃費

4.0

★★★★☆

価格の割安度

5.0

★★★★★

新型WR-Vの良い点

・後席と荷室が広く、ファミリーカーとしての実用性が高い

・全長が4400mm以下のボディなので街中でも運転しやすい

・価格は205〜249万円前後でありながら、機能面が充実している

× 新型WR-Vの気になる点

・インパネなど内装の質感はヴェゼルに及ばない

・サイドブレーキは電動式ではなく、従来のレバー式

・シートアレンジはヴェゼルほどバリエーションはない

新型WR-Vの外観(エクステリア)

新型WR-Vは前輪駆動です。悪路を走破するために欠かせない四輪駆動のシステムは持ち合わせていないため、シティ派SUVと言えます。しかし、外観を見るとフロントマスクを直立させるなど、悪路向けのSUVに似た力強さを感じます。

同じホンダの新型ヴェゼルがトヨタの新型ハリアーに近いとすれば、新型WR-Vは角張ったトヨタ 新型RAV4に似ています。

新型WR-Vのボディサイズ

新型WR-Vのボディサイズは、全長が4325mm、全幅は1790mmで、全高は1650mmです。

一方、新型ヴェゼルは全長4330mm、全幅1790mm、全高1580〜1590mm。

2車種の全長と全幅はほぼ同じですが、全高は新型WR-Vが60〜70mm高いです。

ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は、新型WR-Vが2650mm、対して新型ヴェゼルが2610mmなので、新型WR-Vのほうが40mm長いです。

このように新型WR-Vのボディサイズは新型ヴェゼルに近いですが、全高は少し高く、ホイールベースも上まわるため、室内空間は広く感じやすいです。

新型WR-V 新型ヴェゼル

全長

4325mm

4330mm

全幅

1790mm

1790mm

全高

1650mm

1580〜1590mm

ホイールベース

2650mm

2610mm

新型WR-Vの内装(インテリア)

新型WR-Vの車内に入ると、インパネは実用的なデザインです。水平基調で視認性や操作性は優れていますが、新型ヴェゼルほど上質ではありません。コンパクトSUVの平均水準で、シートの座り心地も同様です。

新型WR-Vの後席は広いです。新型WR-Vに身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には握りコブシが2つ半収まります。正確には新型ヴェゼルの足元空間に比べて若干狭いですが、ほぼ同じ余裕があります。

頭上の空間は新型WR-Vが広く、握りコブシが1つ半入ります。新型ヴェゼルは握りコブシの半分程度です。

ちなみに新型WR-Vの後席に座ると、前席の下に入った足のツマ先が持ち上がります。そのために着座姿勢が楽になります。これも新型ヴェゼルと同様で、前席の下に燃料タンクがあるように思えますが、実際は後席の下です。

新型WR-Vのベースとなるエレベイトが販売されているインドでは後席の座り心地が重視されるため、新型WR-Vでは新型ヴェゼルのような座面に跳ね上げ機能のない普通のシートが採用されました。それでもコスト低減のために、プラットフォームを新型ヴェゼルと共通化したので、新型WR-Vもツマ先が持ち上がるのです。

新型WR-Vの荷室(ラゲッジ)

荷室は新型WR-Vの方が新型ヴェゼルよりも広いです。後席を使った状態の荷室容量は458Lで、リヤゲートの角度を寝かせて天井を少し低く抑えた新型ヴェゼルを上まわります。

このように新型WR-Vは、新型ヴェゼルと同程度のサイズですが、外観は悪路向けのSUV風に仕上げて荷室も広いです。新型ヴェゼルが上質感や快適性を重視するのに対して、新型WR-Vは実用指向を強めました。

新型WR-Vのエンジン

新型WR-Vのエンジン性能や燃費の正確な数値は公表されていませんが、ベース車のエレベイトと同様、直列4気筒1.5Lのノーマルタイプが搭載される予定です。

新型ヴェゼルと違って、ハイブリッドのe:HEVは選べません。駆動方式も新型WR-Vは前輪駆動の2WDだけで、ヴェゼルのような4WDはありません。

新型WR-Vの価格|200万円〜250万円の価格帯に全グレードが収まる

新型WR-Vのバリエーションは「X」「Z」「Z+」の3グレードのみとシンプルな構成です。

新型WR-Vの一番の特徴は価格が安いことです。2023年11月中旬時点で新型WR-Vの正確な価格は発表されておらず、販売店も把握していませんが、最も安価なXは200万円を少し超える程度(205万円前後)でしょう。

中級グレードのZは、17インチアルミホイールなどが標準装着されます。最強のライバル車となるトヨタ 新型ヤリスクロスZ 2WD(223万2000円)に近い金額でしょう。そして最上級グレードのZ+は、250万円弱(249万円前後)になると思われます。

つまり新型WR-Vは、200〜250万円の価格帯に全グレードが収まります。新型ヴェゼルに比べると、エンジンはノーマルタイプのみ、駆動方式も2WDに限定したことで価格を安く抑えられました。

新型WR-Vのライバル車比較

新型WR-Vとライバル車を比較してみましょう。

SUVとしては国内で最も多く売られているライバル車のトヨタ 新型ヤリスクロス(2023年の1か月平均登録台数は約8200台)に比べると、新型WR-Vは価格は同程度でもボディがひとまわり大きく、後席の足元空間や荷室も広いです。

新型WR-Vは内装の質感も、新型ヴェゼルと比較されると辛いですが、新型ヤリスクロスが相手であればさほど見劣りしません。

以上のように新型WR-Vは「ボディサイズと車内の広さはヴェゼル以上で、価格はヤリスクロス」という位置付けに価値があります。

新型ヴェゼルがありながら新型WR-Vが投入された理由とは?

新型WR-Vが登場した理由として、新型ヴェゼルがノーマルエンジン搭載車を大幅に減らし、グレードがe:HEV中心に変更されたことも挙げられます。

先代ヴェゼルのノーマルエンジン車はグレードが豊富で、2WDの価格帯は最終型の段階で211万3426円から252万833円でした(ハイブリッドとターボを除く)。新型WR-Vはそこに収まります。表現を変えると、新型WR-Vは新型ヴェゼルのノーマルエンジン車の後継モデルとも言えます。

新型WR-Vを投入した背景には、ホンダ車ユーザーの動向もあります。

先代ヴェゼルであれば、200万円台の前半にもグレードが豊富に用意され、180〜200万円のフィット、あるいは200万円台前半のフリードからも乗り換えがしやすかったです。

ところが新型ヴェゼルはe:HEVが中心で価格も高まったため、フィットなどのユーザーが、新型ヤリスクロスをはじめとする他社のSUVに乗り換える傾向が生じています。そこで新型WR-Vを導入した事情もあります。

本来なら、新型ヴェゼルを開発している時に今の状況を予想して、価格の割安なノーマルエンジン車も充実させるべきでした。

新型WR-Vのおすすめユーザー|ファミリーカーや実用車としては使い勝手の良いSUV

新型WR-Vはボンネットが良く見えて運転しやすそうです。ボディ後部のピラー(柱)が太めで後方視界はいま一歩ですが、ファミリーカーとして使いやすいSUVに仕上がっています。

新型WR-Vの最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は195mmなので、悪路のデコボコも乗り越えやすいです。実用的なSUVを手頃な価格で手に入れたい時には、選ぶ価値も高いでしょう。

新型WR-Vの性格を考えると、今後は水洗いの可能な樹脂製の荷室など、実用性をさらに高めた仕様が欲しいところです。

なお、ラゲッジトレーやオールシーズンマットなどはホンダアクセスの純正アクセサリーとして用意されています。

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【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正】

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渡辺 陽一郎

筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)

監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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