[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した2023年12月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.6%上昇した。伸びは前月から横ばいで、3カ月連続で3%を下回った。物価上昇が鈍化していることで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げに向けた動きは軌道から外れない公算が大きい。
前月比では0.2%上昇。11月は0.1%下落していた。食品価格が0.1%、エネルギー製品価格が0.3%上昇した。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は前年同月比が2.6%上昇、前月比が0.2%上昇だった。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年同月比2.9%上昇。伸びは11月の3.2%から縮小し、21年3月以降で最小となった。前月比では0.2%上昇。11月は0.1%上昇していた。
FRB当局者が注目している住宅を除くコア・サービス価格は前年同月比3.3%上昇。伸びは11月の3.5%から縮小した。
LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は、「インフレ基調は改善しており、FRBに今年の利下げの余地を与えている。しかし、FRBにはさらにやるべきことがあり、『任務完了』と宣言する方向に傾くべきではない」と述べた。
<個人消費0.7%増>
インフレの緩和、賃金の上昇、家計による貯蓄取り崩しなどが相まって個人消費を押し上げ、経済全体を下支えした。米国の経済活動の3分の2以上を占める個人消費は0.7%と大きく増加。サービス、財ともに支出が増加した。11月は0.4%増だった。
サービス支出は、金融サービス料、各種手数料、ヘルスケア、ギャンブルなどで増加した。財では、新車の小型トラックの購入が増えたほか、処方薬、衣料品、靴類、レクリエーション用品、乗用車への支出が増加した。
インフレ調整後の消費支出は、前月と同じ0.5%の増加となった。いわゆる実質消費支出の堅調な増加により、消費は24年第1・四半期に向けてより高い成長軌道に乗ることになる。
このデータは、 米商務省が25日発表した2023年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値に含まれていた。同指標では個人消費が2.8%増と好調だった。
<貯蓄率1年ぶりの低水準>
ただ、個人消費の伸びは今後数カ月で緩やかになる可能性が高い。12月の個人所得は0.3%増と、11月の0.4%増から伸びが鈍化した。インフレと税金を考慮した後の家計所得は0.1%増と、伸びは前月の0.5%から縮小。消費の一部が貯蓄で賄われたため、貯蓄率は3.7%と、1年ぶりの水準に低下した。11月は4.1%だった。
EYパルテノン(ニューヨーク)のチーフ・エコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「個人消費は今年も堅調に推移すると予想しているが、昨年の堅調な伸びと比べると、やや失速する可能性がある」との見方を示した。
米PCE価格指数、12月は前年比2.6%上昇 インフレ鈍化傾向継続 - ニューズウィーク日本版
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