経済アナリストの森永康平氏が11日、ABEMA「ABEMA的ニュースショー」(日曜正午)に生出演し、世界各国の好不況を占う人気商品について解説した。
東京株式市場の日経平均株価が9日、3万7000円台にまで上昇するなど、市場は好況感を示しているが、国民生活は物価高、円安、増税でその恩恵に預かるにはほと遠い経済状況。そんな中で、森永氏はファストフード大手マクドナルトの人気商品ビッグマックを引き合いにした“ビッグマック指数”で、「日本経済の失敗が如実に分かります」と説明した。
ビッグマック指数とは、英経済誌エコノミストが紹介しているもので、価格を基準にすることで各国の物価水準を比較するもの。その国の時給をビッグマックの価格で割り、1時間働いていくつのビッグマックを買えるかを比較した。
日本は東京都の最低賃金1113円で、ビッグマックの価格は480円。1時間の労働で2・3個が買えるという計算になる。ビッグマックの価格が世界1位高いのはスイスで1219円だが、その分時給が4078円と高いため、3・3個買える。一方、中国はビッグマック517円に対し、時給は547円で、1個しか買えないという計算が成り立つ。森永氏は「世界から見ると、(日本は)いまだにそんなに安いの?という状態」と解説。一方で「問題なのは、日本ってずっと経済成長していないので、経済成長していない=賃金が上がらないんですよ。上がらないから、ものを安く売らないと買ってくれない」と、デフレ状態が続いていることを問題視した。
その理由について森永氏は、バブル経済崩壊と、その後遺症にあるとした。00年前後にバブル経済が崩壊し、銀行が企業への融資を打ち切る貸しはがしなどが横行。「バブルを経験した社長が何を思ったかというと、銀行は信用ならないなと。貸してくれよというタイミングで、金を貸してくれない。なんなら返せと言ってきた。バブルの崩壊を食らった経営者は、自分の金でやるしかないと。事業でもうかったら、全部を賃金に充てるんじゃなく、一部は次の年に何かあったら嫌だから予備を撮っておく」。バブル時代のトラウマから金融機関不信に陥った結果、企業が資金を貯め込む内部留保を増やし続け、給料への還元が十分に行われなかったとした。
景気回復のキーは、若いベンチャー企業の経営者だという。森永氏によると、当時のトラウマを知らない経営者たちは、「トラウマがないんですよ。もうかったら給料に充てるっしょ。人、大事じゃんって感覚なんですよ」といい、ベンチャーでは人件費が上がっている傾向があるという。その上で「俺たちも給料上げないとベンチャーにガンガン人取られちゃうんじゃないの?という認識になってくれると、日本経済がガラっと変わるかもしれない」と期待を口にした。
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ビッグマック価格で分かる日本経済 森永康平氏が解説「世界から見るとそんなに安いの?という状態」 - スポニチアネックス Sponichi Annex
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