インバウンドが盛り上がるなか、外国人観光客向けと日本人向けで異なる値段を付ける「二重価格」を採用する店が現れています。海外では一般的ですが、日本でも広まっていくのでしょうか。
■外国人観光客に対する「二重価格」設定も
ゴールデンウィークが明けてもにぎわう東京・渋谷。円安を追い風に、外国人観光客が連日押し寄せています。
先月オープンした飲食店では、カニや刺身が並べられています。
毎朝、市場から仕入れる国産のベニズワイガニや生ガキ、イクラなど新鮮な海の幸が60品目食べ放題です。
渋谷駅から徒歩3分という好立地。外国人観光客の来店を見込んで、こちらの店が導入したのは、日本に住む人と外国人観光客で異なる値段を設定した二重価格です。
メニューには「日本人及び国内在住の方1000円(1100円込)値引き」と書かれています。90分の食べ放題で、日本に住む人は6578円。外国人の方が1100円高くなっています。その理由は…。
海鮮バイキング&浜焼きBBQ 玉手箱
米満尚悟オーナー
「文化の差ですね。外国の方は、食べ方や素材をご存知でない方がいらっしゃる。よく見てないといけない。説明しないといけない。どうしても接客コストがかかる。カニの太い足の部分しか食べない、サザエの肝の部分しか食べない、身を全部残される方とか、外国の方が結構多いです」
接客に時間がかかり、もったいない食べ方をする人が多いこともあり、外国人には高い値段を設定しています。
また、パスポートなどの身分証明書の提示は確認する手間がかかるため、日本語が話せる人であれば日本人価格でサービスを提供しています。
この日は、中国からの観光客が1組いましたが、日本語が堪能だったため、日本人価格で提供されていました。
中国人観光客
「(Q.なぜこの店?)浜焼き食べたいので、選びました」
「(Q.外国人の料金が高いことは?)日本のルールは厳しいじゃないですか。(ルールを)守りにくい。店に迷惑をかけることがあるかもしれない。高い料金は、ふさわしいサービスをいただければ…」
■賛否の声も…「二重価格」の課題
こうした二重価格は、海外の観光地でも例があります。
ハワイのダイヤモンドヘッドへの入場料は、ハワイ在住であれば無料なのに対し、観光客はおよそ800円。
エジプトのピラミッドは、現地の人であれば200円程度ですが、外国人観光客は1800円ほど徴収されます。
観光客向けの二重価格については、賛否の声があるようです。
日本人(20代)
「日本経済が良くなるなら、いいかなと思います。私たちも今、円安で苦しいので、海外行くのも。それぐらいの価値を感じてもらえるなら」
メキシコから
「私は理解します。日本にとって観光が大きな収入源となっているのであれば、それが公正な価格である以上、問題はないと思う」
フランスから
「なぜ地元の人たちよりも、高く請求されなければならないの?と思います。正当化できませんよね?」
「価格の差が小さければ受け入れますが、あまりにもギャップがあると疑問に思います」
一方、海外で15年以上生活し、二重価格についての記事を執筆するライジンガー真樹氏は、自身の経験から、明確な線引きが課題だと話します。
All About
「オーストリア」ガイド ライジンガー真樹氏
「京都の料亭に家族で行こうということになって、『海外在住の方はネットからのみ予約を受け付けている』と。そこで料金を見たら、全然値段が違う。『予約金を1人8000円頂きます』と書いていました。今の状況でインバウンドというと、訪日観光客っていうイメージだと思う。在外日本人も入れるのかどうか、そういった線引きをビシッと決めた方が、モヤモヤする人が減るのではないか」
(「グッド!モーニング」2024年5月10日放送分より)
外国人観光客に“二重価格”「正当化できない」の声も…普及の課題は“明確な線引き” - テレビ朝日
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