マンションリサーチ株式会社では、「マンション価格が高騰している」という論調の実態を探るべく、埼玉県・千葉県・神奈川県に所在する中古分譲マンション約8700棟を対象に、2022年と比較し2023年に価格が下落した中古マンションについて調査した。
【集計対象】
・新耐震物件(築1983年以降)
・40m2以上
・実需(オーナーチェンジを除く)
・中古分譲マンション8700棟
【結果】
2022年と2023年の比較で価格が下落したマンション数
・三県合計:約38%増加
・埼玉県:約50%増加
・千葉県:約36%増加
・神奈川県:約33%増加
【考察】
いずれの三県もコロナ禍以降、「値下げした回数」は増えているものの「売れるまでにかかった日数」は増加または横ばいになっている。価格を下げても、今までよりも売りづらくなっている市況のため、今後価格の高騰は考えづらい。
■「高騰する中古マンション価格」という論調
グラフ1:一都三県成約価格の推移
上記のグラフは、一都三県各月の中古マンション平均成約m2単価を示しており、2013年3月より2024年3月に至るまで増加の一途を辿っている事が分かる。
■埼玉県・千葉県・神奈川県の価格が下がった中古マンション
表1
表1の赤枠部は、左から2022年・2023年の埼玉県・千葉県・神奈川県における価格が下がった中古マンション数と、その増減率(対2022年比)を示している。
全体としては平均約38%増加した。
特に、埼玉県においては約50%と顕著に増加している。
表2
表2の赤枠部は、左から埼玉県・千葉県・神奈川県における調査対象の中古マンションの母数と2023年に下落した中古マンション数及びその割合を示している。
全体としては、44%の中古マンションの価格が下がっている。
■東京都23区との比較
東京都23区においては以前以下の調査リリースでも報告した通り、価格の下がったマンション数の増減率(対2022年比)は約31%で、その数は調査対象マンション全体の35%だった。
従って、埼玉県・千葉県・神奈川県といえども、東京都(特に23区)と比較すると「価格が下がったマンション」の増加率も、その全体に対する割合も非常に高い状況にある為、少なくとも東京都程価格が高騰しているとは言えない市況となっている。
■埼玉県・千葉県・神奈川県の平均販売期間と平均価格改定数
同社では、中古マンション価格分析における独自の先行指数として「平均価格改定数」=「値下げした回数」と、「平均販売期間」=「売れるまでにかかった日数」を重要視している。
以下のグラフの通りいずれの三県もコロナ禍以降、「値下げした回数」は増えているの「売れるまでにかかった日数」は増加又は横ばいになっている。したがって、価格を下げても、今までよりも売りづらくなっている市場の為、価格が高騰するとは考えづらいだろう。
グラフ2:埼玉県の中古マンションの平均販売期間と平均価格改定数
グラフ3:千葉県の中古マンションの均販売期間と平均価格改定数
グラフ4:神奈川県の中古マンションの均販売期間と平均価格改定数
健美家編集部
【中古マンション価格の実態】東京都周辺(埼玉県・千葉県・神奈川県)でも『価格が下がったマンション』が急増 ... - 健美家株式会社
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