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Sunday, June 23, 2024

<独自>太陽光パネル価格急落 中国の生産過剰で半値 日本、依存脱却目指す - 産経ニュース

太陽光パネル=平成30年7月、静岡県伊東市

太陽光パネルの価格が大幅に下落していることが分かった。世界市場をほぼ独占する中国の過剰生産が原因で、この1年で半値に落ち込んだ。今後も供給過多は続くとみられ、さらに価格が落ち込む可能性がある。安価な中国製品は世界中に流出しているが、エネルギー安全保障の観点から中国一国に頼ることは危険で、日本は同志国と連携し脱中国依存を進める。

日本総合研究所の調べでは、中国の太陽光パネルの平均輸出単価は今年5月時点で54・1ドルと、昨年5月の102・3ドルから半分の水準に落ち込んだ。中国の過剰生産が原因で、日本総研の野木森稔主任研究員は「多くの国の関連企業が激しい価格競争に陥っている」と指摘する。

中国政府は近年、太陽光パネルに加え、電気自動車(EV)、リチウムイオン電池の新産業を「新三様」として支援を強化。補助金などを通じて供給能力を大幅に向上させた。しかし不況で需要が不足して過剰生産が発生し、安価な製品が世界中に流出している。

国際エネルギー機関(IEA)の推計では、世界の太陽光パネルの供給能力は今年末までに1100ギガワットと、総需要の3倍に達する見通しだ。

欧州では安価な中国製品が流入し、太陽光発電事業者の事業縮小や撤退が相次ぐ。日本は約20年前から中国勢に押されてシェアを落とし、現在はほとんどのメーカーが国内生産から撤退した。

ただ、脱炭素社会を目指す日本では太陽光発電は重要な柱で、中国一国への依存は将来の安定供給に危うさをはらむ。

今月3日、日本と欧州連合(EU)のエネルギー当局は、政策協調を進める共同声明を出した。太陽光パネルについては製造時に環境や人権に配慮しているかどうかを評価する仕組みを作り、調達時に価格だけを判断材料としないよう促す。

念頭にあるのは中国依存からの脱却だ。斎藤健経済産業相は21日の記者会見で、「エネルギー安全保障上、特定の国に依存しないサプライチェーン(供給網)構築を進めていく」と説明した。

政府は技術や原材料で日本が先行する次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」の支援を強化する。中国勢がほぼ独占する現在の太陽光パネルと同じ轍を踏まないよう日本勢が国際競争をリードすべく後押しする。

パネルの調達ルール具体化急げ

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