FRB=連邦準備制度理事会のサンフランシスコ連銀の調査では、家計に積み上がった過剰貯蓄はピーク時の2021年8月にはプラス2兆1000億ドルに達しましたが、去年秋以降に取り崩されるペースが加速し、ことし5月にはマイナス2630億ドルにまで落ち込みました。
また、最新の雇用統計でも、個人消費を支えてきた労働者の平均時給も前の年の同じ月と比べて3.9%と4%を下回ったうえ、失業率も3か月連続で悪化し、労働市場のひっ迫も緩んできています。
FRBのニューヨーク連銀によりますと、ことし1月から3月にかけて家計の負債総額は前の四半期に比べて1840億ドル、率にして1.1%増加し17兆6900億ドルとなりました。
また、ニューヨーク連銀は、すべての年齢層でクレジットカードの延滞率が上昇していて「一部の世帯で財政難が深刻化していることが明らかになった」と指摘しています。
特に1990年代半ば以降に生まれた10代から20代後半までの若者=Z世代は、およそ15%がクレジットカードの限度額を超えているとしています。
一方、旅行需要は全米で好調な状況が続いています。
TSA=運輸保安局の発表によりますと、全米の空港などの利用者は今月7日、301万人余りに上り、一日の利用者が初めて300万人を超えました。
それまでの過去最高だった先月23日の299万人余りを上回り過去最高を更新しました。
背景には株高によって資産が増え、消費にお金を回すようになる「資産効果」があるとみられ、富裕層中心に旅行や外食などにお金を使う動きは続き、高金利のもとでも個人消費が大きく落ち込まない要因とも指摘されています。
アメリカ “個人消費に減速の兆し” 価格に異変も - nhk.or.jp
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