SEIKO セイコー プロスペックス 1959 アルピニスト 復刻デザイン 名畑政治/時計ジャーナリスト オリジナルを現代の技術で見事にアップデイト 1959年にセイコーが発売した隠れた名機「ローレル アルピニスト」がついに蘇った。これには忘れられない思い出がある。30年以上昔、都内アンティーク店でオリジナルを発見。だが、その場では決断できなかった。しかし、印象的な夜光ダイアルが頭から離れない。意を決して再訪したら売り切れ! 「いつかきっと見つけるぞ!」と心に決めたが、あの夜光ダイアルが私の前に再び現れることはなかった……。 それぐらい希少な「ローレル アルピニスト」。誕生の背景には戦後日本の登山と探検のブームがあった。きっかけは1956年のヒマラヤ・マナスル初登頂。この成功が敗戦に打ちひしがれた日本人に勇気を与え空前の登山ブームが勃興。いっぽう、同時期の1956~57年には第1次南極地域観測隊が南極に昭和基地を開設し越冬にも成功した。つまり「アルピニスト」の登場は戦後最初のアウトドアブーム真っ只中。水やホコリに強いスクリューバック、たっぷり夜光塗料を塗った針と3・6・9・12時のクサビ形インデックスは、あらゆる状況での視認性を確保した。そのオリジナルを現代の技術で見事にアップデイトした新作「セイコー プロスペックス 1959アルピニスト 復刻デザイン」。それは過酷な状況をはねのけ、不屈の精神で未知の領域へと挑み続けたアウトドアの先駆者たちへのオマージュなのだ。 G-SHOCK GMW-B5000TR-9JR 鈴木裕之/フリーライター 鏡面仕上げまで可能とした 超硬質チタンの外装がバリュー DW-5000Cから始まったG-SHOCKの初期ラインナップ。特徴的なスクエアデザインを受け継ぎ、フルメタルの骨格をまとった現代版がGMW-B5000シリーズだ。日本製鉄のデザイニングチタンブランド「トランティクシー」から登場した新合金は、カシオとの共同開発から生まれた独自素材。硬度は純チタン(=グレード1)の約2倍だが、比較的柔らかなグレード5と同様に研磨も可能。鏡面ゆえに映えるマルチカラーIPは好みが分かれるだろうが、チタン特有の軽さは、これぞG-SHOCKという装着感を生んでいる。 CITIZEN ザ・シチズン メカニカルモデル Ref.NC0200-90E 広田雅将/時計ジャーナリスト 機械式時計に対する、シチズンの本気を感じさせる大作 長らく、光発電のエコ・ドライブにフォーカスしてきたシチズン。しかし、スイスのムーブメントメーカーであるラ・ジュー・ペレ社を傘下に収める同社は、そのいっぽうで機械式時計作りのノウハウを蓄積していた。そんなシチズンが満を持して発表したのが、新しいザ・シチズンのメカニカルモデルだ。搭載するのは、新しい自動巻き。シチズンの設計にラ・ジュー・ペレ社の装飾技術を活用した組み合わせは、このキャリバー0200に、クロノメーター規格を超える高精度と、世界水準の見た目をもたらした。衝撃に強いフリースプラングテンプに、デスクワークでも巻き上がりやすい片方向巻き上げ、加えてムーブメントの細かい仕上げは同価格帯のムーブメントを超えるものだ。また、このモデルは、外装も秀逸だ。シチズンの得意とする電気鋳造文字盤は、実に細かいニュアンスをそなえ、ケースも、今までのシチズンとは次元の違う立体感を持つ。極めて充実した内容にもかかわらず、本作の価格はかなり戦略的。機械式時計に対する、シチズンの本気を感じさせる大作だ。 TISSOT PRX 神谷 晃/ウォッチ・エディター 6万円以下とは思えないクオーツ選びの正解 「PRX」というモデル名のうち「PR」は、“Precise and Robust(高精度かつ堅牢)“に由来し、“X“は10気圧の防水性能を持つことを表している。装着してみると、ブレスレットはシャープな見た目ながらもフィット感が高く、驚くほど手首になじむ。シャープで高級感のあるデザイン、実用性の高さ、そして6万円以下のプライスを考えると、クオーツではベストチョイスだと思う。ブルー、ブラック、シルバーグレーのなかでも、サンレイ仕上げのブルーがイチ押しだ。鮮やかなダイアルを起点に、ポリッシュ仕上げのベゼルからサテン仕上げのケース、そしてブレスレットへとつながる滑らかなシルエットを考えると、ファッションは同トーンのネイビーで揃えたスーツ&タイが気分だ。 ORIENT STAR クラシック スケルトンRK-AZ0001S(シャンパン) 並木浩一/時計ジャーナリスト 美しいだけじゃない 使いやすいスケルトン 堅牢さを譲って華麗さを生むスケルトンは運命的に性能との両立が難儀になってくる。美学と技術のその背反を、見事にすり合わせてみせたのがオリエント スター「クラシック スケルトン」の新作だ。完全自社製のシリコン製ガンギ車搭載などのモディファイにより、従来比で20時間長い70時間のパワーリザーブを達成したのは快挙。しかもこのガンギ車は、形状に衝撃吸収の機能をもたせてある。そのスーパーなエスケープホイールの鮮烈なブルーと、ゴールドカラーのパーツ表面に施されたペルラージュ(真珠模様)が、純粋な美観としても優秀。5気圧防水まで備えて毎日の使用にも不足がない誠実さを、納得のいく価格が裏打ちする。
「価格以上の価値」ある時計5本 復刻スポーツモデルからクオーツ、スケルトンまで(GQ JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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