ボディはわずかに拡大
新型Cクラスは初代から数えて5代目。2014年から日本での販売が始まった先代Cクラスは、セダンとステーションワゴンあわせて累計約10万台以上が輸入されたという。
かつてCクラスといえば、メルセデスの入門モデルとして位置付けられていたものの、現在はFWD(前輪駆動)モデルのAクラスがその役目を担っている。新型Cクラスは、Dセグメントに属する“小さな高級車”として、独自のポジションを占める。
先代モデルより全幅は10mm、全長は65mm増えた。
ボディはセダンとステーションワゴンの2種類。
新型のデザインは、すでに販売されている現行Sクラスを彷彿とさせるもので、先代比で全幅は10mm、全長は65mmのプラスとなり、伸びやかでスポーティなシルエットを得た。サイドウインドウ下端に近いショルダー部にフロントからリアまでを貫く「キャットウォークライン」と呼ぶキャラクターラインを通し、車高を低く、そしてスマートに見せる効果を狙ったという。
LEDヘッドライトは、新型Sクラス譲りの薄型デザイン。フロントグリルの中央には、これまでとおなじくスリーポインテッドスターを据えた。AMGラインを選ぶとフロントグリルとフロントバンパーは専用デザインになる。
Cd値はセダンが0.24、ステーションワゴンが0.27で、クラストップレベルをうたう。
灯火類はフルLED。
新型Sクラスゆずりのハイテク装備も
内装も新型Sクラスを想起させる。インパネには11.9インチの縦型のインフォテインメント・ディスプレイを設置、ドライバー側に6°傾けて、視認性と操作性を高めたという。
メーターは、12.3インチのフルデジタルで、表示内容は複数パターンから任意で選べるという。ナビゲーションマップも表示出来る。ステアリング・ホイールも新型Sクラス譲りの新デザインで、ナビゲーションシステムや運転支援システムの操作を、すべて手元でも完結出来るようになったという。くわえて、AI(人工知能)を使った音声対話システムMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)を搭載するので、声でも操作出来る。
メーターは、12.3インチのフルデジタル。エアアウトレット形状は楕円になった。
インパネには11.9インチの縦型のインフォテインメント・ディスプレイを設置、ドライバー側に6°傾け、視認性と操作性を高めたという。
ナビゲーション機能には、日本で販売されるDセグメント車初のAR (Augmented Reality = 拡張現実)機能をオプション設定した。従来は、目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライトされただけだったが、新型Cクラスでは、それに加えて、車両の前面に広がる現実の景色がナビゲーション画面の一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示される。
生体認証(指紋、声)によるドライビング・ポジションの登録・設定も出来るようになった。登録した指紋や声によって、シートやステアリング・ホイール、サイドミラーなどのポジションを呼び出せるという。
「アンビエントライト」は、64色から選べる。
室内を彩る「アンビエントライト」は、64色から選べる。エアコンの温度設定に連動し、赤や青に光るという。乗車時は、乗員を迎え入れるための専用の演出も用意された。
居住性も改善された。ホイールベースは従来から25mm、後席レッグルームは21mm伸びた。後席ヘッドルームも13mm増えて、リアシートのスペースがゆとりあるものになった。
シート表皮はレザー。
ラゲッジルームはスクエアな形状で使い勝手が良い。
全モデル電動化
搭載するパワーユニットは、すべてモーターを組み合わせたハイブリッド仕様。「C200」は、204psと300Nmを発揮する1.5リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンを、「C220d」は、200psと440Nmを発揮する2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボ・エンジンを、それぞれ搭載する。いずれもマイルドハイブリッドシステムの「ISG(Integrated Starter Generator)」との組み合わせられる。モーターは15kWと200Nmを発揮する。
駆動方式はRWD(後輪駆動)と4WDの2種類。後者はセダンのみだ。
フロントに搭載するエンジンは、ガソリンが1.5リッター直列4気筒、ディーゼルが2.0リッター直列4気筒になる。いずれもターボ付きだ。
2022年に導入予定の「C350e」(セダンのみ)は、204psと320Nmを発揮する1.5リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンに、95kWと440Nmを発揮するモーターを組み合わせるPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド)モデルだ。25.4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、満充電時は電気のみで100km走行出来るという。
組み合わされるトランスミッションは、全モデル「9G-TRONICオートマチックトランスミッション」になる。
組み合わされるトランスミッションは、全モデル「9G-TRONICオートマチックトランスミッション」。
オプションで後輪操舵システムの「リア・アクスルステアリング」も選べる。
約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大2.5°傾けることで、駐車場などのシーンで扱いやすくなるという。約60km/hを超えると、同方向に最大2.5°傾け、走行安定性を高める。
後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」はオプション。
先進安全技術もアップデートされた。新型Sクラスにも搭載される最新の長距離レーダーやステレオマルチパーパスカメラ、12個の超音波センサーなどを搭載する。これにより、操舵支援がより緻密に制御され、衝突被害軽減ブレーキは検知対象が拡大された。
新型Cクラスの価格は、C200アヴァンギャルドが654万円(セダン)/680万円(ワゴン)、C200 4マティック アヴァンギャルドが684万円(セダンのみ)、C220dアヴァンギャルドが682万円(セダン)/708万円(ワゴン)。C350eアバンギャルドは今後明かされる。ハンドル位置はすべて右のみ。
文・稲垣邦康(GQ)
新型メルセデス・ベンツCクラス日本上陸! 価格は654万円から - GQ JAPAN
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