中国産金属シリコン価格が高級品を中心に続伸している。鉄鋼景気の回復や非鉄金属相場が強基調にある中でシリコン価格も上昇。高品位品を中心に注文が集まっているため、需給がタイトな高品位品「2202」は6月初めに比べて160ドル上昇した。 アルミ合金の添加材などとして利用される金属シリコンは、中国が世界生産の6割以上を占めており中国製品の価格は指標の一つとされている。主な産地としては新疆地区や雲南省、四川省、福建省が挙げられる。 足元の輸出向け広州価格(FOB)は「2202」が2560~2600ドル(6月初比160ドル高)、「3303」が2380~2420ドル(同110ドル高)、「441」が2270~2310ドル(同100ドル高)、「553」が2040~2080ドル(同10ドル高)。液晶パネル向けが中心の「421」は2410~2450ドル(同120ドル高)どころ。 中国の金属シリコンメーカーは電力多消費産業であるため、昨今広がる脱炭素の動きで新疆地域メーカーが減産を強いられている。また南部地域もコロナ影響で低生産状態にあり全般に需給がひっ迫している。特に工場が少ない高品位品はフル稼働状態にあるという。 ただし「四川省や雲南省で稼働している製錬炉が増えている」(タックトレーディングの上島隆社長)ようだ。目先については「2202など高品位品の一部は、大きな下落は期待できないだろう」とした。 このほか最近の金属シリコン取引について上島社長は「取引価格と実際のグレード分けのギャップが広がっている」と指摘する。数年前まで553と441の価格差は60~80ドル程度だったが、足元は200~250ドルまで拡大。これについて「規格が存在しないため、一般的には553、441、3303、2202の4グレードだが、それぞれのグレードの中間品などを含め8~10種類のグレードが横行している。その上で、一部メーカーが十分な品位に達していないにもかかわらず、勝手にアップグレードして販売するケースが見られる」(同)と述べる。
中国産金属シリコン需給ひっ迫。高品位品の価格高騰(鉄鋼新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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