銅価格が一時、過去最高値を付けたが、新規の鉱山開発計画を促すにはまだ十分ではないとジェフリーズが分析した。リードタイムの長期化や、主産国のペルーやチリにおける鉱山国有化や鉱業税率の引き上げの可能性が新規の投資を妨げているという。
ロンドン金属取引所(LME)の銅相場で指標となる3カ月先物価格の4日終値は1トン=9955ドル。
5月10日に一時、1万747.50ドルまで上昇し、過去最高値を更新した。2020年3月に新型コロナウイルスの感染拡大(パンデミック)の影響で価格は一時5000ドルを割り込んだが、ここから倍以上になった。
オーストラリアの鉱山業界メディア、アスパーモントのウェブサイトが7日にジェフリーズの調査リポートを引用して伝えたところによると、リードタイムの長期化によるプロジェクトの投資利益への負の影響を鉱山会社は懸念している。
さらに主産国の政情も投資の抑制につながっているという。ペルーでは4月に行われた大統領選で過半数を獲得した候補者がいなかったため、首位の急進左派ペドロ・カスティジョ氏と2位のフジモリ元大統領の長女、ケイコ・フジモリ氏の決選投票が6日に実施された。カスティジョ氏は鉱山を含むエネルギー産業の国有化の必要性を訴えていた。
現地調査会社による選挙の出口調査では、ケイコ氏のわずかなリードが伝えられている。
一方、最大生産国のチリでは、銅を含む鉱業に対する特別税の大幅な税率引き上げが議会で審議にかけられている。
ジェフリーズは、コモディティ(商品)価格が高い時期は、新興国の資源ナショナリズムがかき立てられる傾向があり、予期しなかった税が導入され得るとし、またペルーとチリでの出来事が資源が豊富な他の地域にも波及する可能性があると指摘した。
その上で、鉱山会社はリードタイムの長い、資本集約型のプロジェクトへの投資よりも、投資利益とバランスシートの健全性を優先させる可能性が高いとの見方を示した。
こうした投資の欠如により、価格は長期にわたり支えられる可能性があるとジェフリーズは予想している。
銅価格の高騰、鉱山開発投資促すには不十分—調査 - IG
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