マンションの売却を検討したときには、不動産会社へ査定依頼を行う前に、自分でも相場を調べておくことが大切です。
なぜなら、相場は不動産会社を見極めたり、買い手との価格交渉をしたりするときに重要な判断基準となるためです。
今回はマンションの「エリア別」「築年数別」の平均売却価格を確かめたうえで、相場の調べ方や具体的な注意点を見ていきましょう。
<エリア別>マンションの売却価格相場
まずは、データを基に、主な都道府県におけるマンションの平均売却価格を見ていきましょう。
国土交通省が公表している「不動産取引価格情報検索」をもとに、最新(2020年第1四半期~2020年第4四半期)のマンション平均売却価格を表でまとめました。
エリア |
平均売却価格※ |
---|---|
北海道 |
1,571万円 |
東京 |
3,752万円 |
神奈川 |
2,623万円 |
千葉 |
2,087万円 |
埼玉 |
2,130万円 |
愛知 |
2,022万円 |
大阪 |
2,260万円 |
福岡 |
1,696万円 |
※本データは国土交通省「不動産売却取引価格情報(2020年第1四半期〜2020年第4四半期)」のデータを基にLIFULL HOME’S編集部が集計した数値です。
首都圏のなかでも、特に東京都は、ほかの都道府県と比べて1,000万円近くも平均売却価格が高い結果となりました。
なお、関西圏のデータを詳しく見てみると大阪府の売却相場が高く、平均売却価格は首都圏の多くの県を上回っています。
<築年数別>マンションの売却価格相場
続いて、築年数別にマンションの平均売却相場を見ていきましょう。
東日本不動産流通機構の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020)」では、首都圏エリアにおける築年数別の平均売却価格データが公表されています。
築年数 |
平均成約価格 |
平均平米単価(1m2) |
---|---|---|
築0~5年 |
5,883万円 |
88.16万円 |
築6~10年 |
5,071万円 |
75.28万円 |
築11~15年 |
4,484万円 |
62.86万円 |
築16~20年 |
4,174万円 |
57.46万円 |
築21~25年 |
3,202万円 |
46.93万円 |
築26~30年 |
1,884万円 |
31.09万円 |
築31年以降 |
1,904万円 |
33.33万円 |
築0年~5年まで
新築と比べても設備や間取りなどにも大きな違いが見られにくいため、中古物件のなかでも「築浅」として扱われ、人気の集中しやすい時期です。
一方、1年あたりの価格の下げ幅が大きいため、売却を検討するのであれば、できるだけ早くスタートを切るべき時期でもあります。
築6年~20年まで
築6年から20年までは、マンションの価格が一定の割合で減少していくタイミングです。ただ、築10年までと11年目以降とでは、需要に違いが見られる面もあります。
築10年までは建物の状態が良い物件も多い一方で、価格は築浅よりも低くなることから、中古市場のなかでは人気が集まりやすい条件とされています。
築11年目を超えると、築浅とは条件の面で大きな違いが生まれ、売却価格には1,000万円以上の差が出るケースも少なくありません。
築21年~25年まで
この時期は、築25年までとそれ以降で売却価格に大きな差が生まれるタイミングとされています。
その理由は、築25年目までの中古マンションを購入すれば、買い手が住宅ローン控除や登録免許税において優遇措置を受けられることがあるためです。
そのため、売りたいマンションが築20年を超えている場合は、売却のタイミングを慎重に考える必要があります。
築25年以降
築25年を超えると、マンションの売却価格にはほとんど動きが見られず、横ばいの状態が続きます。そのため、市場の動きも見ながら、じっくりと売却のタイミングをうかがうことも大切となります。
なお、築25年を超えた物件については、リノベーションを前提としている購入者も少なくありません。
物件の購入価格を抑えて、リフォームやリノベーションに費用をかけたいと考えている人にとっては、価格の落ち着く築25年以降のマンションが有力な候補となるのです。
マンションの売却価格相場を自分で調べる方法
所在エリアや築年数による相場の特徴を押さえたうえで、ここでは具体的な価格相場を調べる方法について見ていきましょう。
公表されたデータから調べる
国土交通省の「土地総合情報システム」には、過去に行われた不動産取引に関するデータが四半期ごとに掲載されています。
土地総合情報システムでは、エリアや築年数、用途、専有面積といったさまざまな条件から取引価格の実態を調べることができる点が大きなメリットです。
そのため、売りたいマンションに近い条件を持つ物件の取引情報を複数集めることで、平均的な価格帯を把握できるようになります。
また、国土交通大臣の指定により不動産流通機構が運営している「レインズマーケットインフォメーション」でも、過去に行われたマンションの取引事例を検索することができます。
こちらも、条件の似ている物件をいくつか選び出して、簡単に相場を把握することが可能です。
LIFULL HOME’S「プライスマップ」で調べる
不動産情報ポータルサイトのなかには、物件の参考価格を手軽に検索できる機能を備えているところもあります。
LIFULL HOME’Sの場合、「プライスマップ」機能を使って、マンションの参考価格を調べることが可能です。プライスマップの特徴としては、次の2点が挙げられます。
- マンション名や住所を入力するだけで参考価格を調べられる
- 一部屋ごとに参考価格を調べられる
プライスマップでは、駅やエリアはもちろん、マンション名からダイレクトに必要な情報へアクセスすることができます。
また、階数や専有面積、間取りなどをもとに「特定の一部屋」についても価格を算出することも可能です。
そのため、階数によって価格差が生まれやすいタワーマンションなどでも、利用しやすい仕組みとなっています。
マンションの相場を調べるうえで注意したいこと
マンションの売却相場を調べるときには、条件の設定をできるだけ正確に行う必要があります。
「築年数」「専有面積」「立地」といった基本的な情報とともに、「方角」「周辺環境の利便性」などによっても相場が異なるため、できるだけ近い条件を持つマンションを探しましょう。
特に、広さはマンションの価格を左右する大きなポイントとなるため、必ず「平米単価」で計算することが大切です。
また、相場はあくまでも参考値であるため、場合によっては査定額と差が生まれることもある点を理解しておきましょう。
査定依頼を行って、自分で調べた相場とあまりにも大きな隔たりがある場合は、遠慮をせずに担当者へ質問をすることも大切です。
調べた相場はどのように活用できる?
最後に、自分で調べた相場の活用方法について見ていきましょう。
売却計画を立てるために活用する
マンションの売却には、税金や仲介手数料などの費用がかかるため、慎重に売却計画を立てる必要があります。
特に、住宅ローンを借りている場合には、売却代金を利用して完済できることが条件となっているため、残債と売却価格のバランスが重要なポイントとなるのです。
おおまかな相場を把握しておけば、いつ売却を行うべきか、具体的なタイミングを探ることができます。
仲介会社選びに活用する
実際に売却を行う際には、仲介会社に査定を行ってもらったうえで仲介を依頼することとなります。
しかし、査定額には明確な基準が設けられているわけではないため、仲介会社によっても金額が異なる場合があるのです。
事前に相場を把握しておけば、仲介会社がつけた査定額の妥当性を確かめたり、疑問点を質問したりできるようになります。
査定の根拠をていねいに教えてくれるかどうかによっても、仲介会社の信頼性を見極めることができるため、重要な判断基準となるでしょう。
LIFULL HOME’S「不動産売却査定」を利用してみよう
LIFULL HOME’Sの「不動産売却査定」では、売りたいマンションの所在地や特徴、売却の事情などに合わせて、適した仲介会社をスムーズに絞り込むことができます。
全国の3,000を超える仲介会社の情報について、強みや特徴が細部にわたって掲載されているので、手軽に必要なデータを集めることも可能です。
また、一度の入力で複数の会社に査定依頼ができるため、査定額を比較したいときにも便利です。査定依頼は無料で行えるので、マンションの売却を検討しているときには、ぜひご利用ください。
まとめ
- 都道府県によって売却額には差があるため、該当エリアの取引情報を正確に把握する
- 築年数が相場に与える影響も理解しておく
- 「土地総合情報システム」や「レインズマーケットインフォメーション」から過去の取引情報を調べることができる
- 「プライスマップ」ならマンション一戸ごとの参考価格も確かめられる
- 自分で調べた相場は、売却計画の立案や不動産会社選びに活用する
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