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Monday, September 27, 2021

先を見通せぬ「ウッドショック」…住宅の工期遅れ、販売価格も上昇 - 読売新聞

 コロナ禍で輸入木材が不足し、木材全体の価格が高騰する「ウッドショック」。多くの木材を使用する計画の岐阜県内の公立の施設にも、建設費の見積額が予算を上回り、スケジュールが遅れるなどの影響が出始めている。自治体関係者は「先が見通せない状況はいつまで続くのか」と価格動向に気をもんでいる。(野村順、川口武博)

 農林水産省の統計によると、8月の国産の原木の価格は、スギが前年同月比で1・4倍、ヒノキが2倍に値上がりしている。日本の住宅用木材は輸入材に頼ってきたが、ウッドショックで住宅の工期が遅れ、販売価格が上昇する影響が出ている。工務店では、契約が不成立に終わったり、資金繰りが悪化したりする問題も起きている。

 「状況の変化により、新施設の設備や機能を極限まで見直した」。こう説明するのは、道の駅「アルプ飛騨古川」(飛騨市古川町上町)に新たな農産物直売所を開設する計画を進める市の担当者だ。

 もともと8月に業者に発注する予定だったが、木材価格の値上がりで当初の予算を上回る可能性が出たため、急きょ設計を変更。 厨房ちゅうぼう を外し、空調設備のグレードも下げるなどして、できる限り価格を抑えた。この見直し作業の影響により、「来春」としていたオープン時期は少なくとも1か月ほど遅れる見込みだ。

 担当者は「市民から期待が寄せられている施設なので、いずれは機能拡充を図る追加工事を検討したい」と先を見据える。

 大垣市では、築約50年と老朽化が進む市立の障害児通所支援施設「ひまわり学園」の改築事業が、1年ほど遅れる見通しだ。

 同市では、耐震基準をクリアしていない同学園を移転し、県産木材をふんだんに使用した、温かい雰囲気の木造平屋建ての建物(延べ床面積約1200平方メートル)を整備しようと計画。来年度の市の負担額をあらかじめ決めておく「債務負担行為」を設定し、今年度内に業者と契約する予定だった。しかし、木材の価格高騰で想定費用が膨れ上がったため、今回の債務負担行為を行わないことにした。

 当面は木材価格の状況を見極めた上で、来年度に契約する方針で、2023年4月目標の開所は1年後にずれ込みそうだ。市の担当者は「価格上昇はいつまで続くのか。保護者らからの期待が大きい事業だけに、遅れるのは残念」と話す。

 ウッドショックで国産材に転換する動きが高まっているが、木材加工業者にとっては、こうした需要に十分に対応できていないのが実情だ。住宅用木材に必要な「乾燥機」が高額で、導入が難しいためだ。

 住宅用木材は収縮や変形を避けるため、製材後に十分乾燥させる必要があるが、乾燥機の価格は1基約2000万~3000万円に上る。そこで県は、半額を助成する制度を設けることを決め、一般会計9月補正予算案に関連経費1億1500万円を盛り込んだ。

 担当者は、岐阜県は面積に占める森林の割合が全国2位で、林業が盛んなことを踏まえ、「価格上昇はまだまだ続くという見方もある。こうした不安定な状況の中、踏み込んだ支援を講ずることで、少しでも業界の安定につなげたい」と力を込める。

 一方、東濃ヒノキの産地を拠点にする中津川市の加子母森林組合の細川正孝組合長(68)は「値上がりは組合にとっては良いことだが、木材が足りないからすぐ切れと言われても、迅速に対応ができないところもある」と話す。

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