[ロンドン 4日 ロイター] - 欧州の大手石油商社であるビトル、ガンバ―、トラフィギュラの幹部はエネルギー関連イベントで、1年後の原油価格の見通しを示し、ビトルが弱気派、ガンバ―とトラフィギュラが強気派に見方が分かれた。
北海ブレント原油先物は4日、1バレル=81ドルを突破し、3年ぶりの高値を記録。年初からは50%強値を上げている。
ビトルのラッセル・ハーディー最高経営責任者(CEO)は「エナジー・インテリジェンス・フォーラム」で、原油価格は1年後には75ドル前後に軟化していると予想。インフレ懸念を理由に挙げた。
ガンバーのトルビョルン・トルンクビストCEOは「今後1年の間にイランからの供給が見込まれるため、石油は85ドル前後になるだろう」との見方を示した。
トラフィギュラの見通しは90ドルと、3社の中で最も高かった。
3社は、石油・天然ガスの探鉱、開発、生産など上流事業への投資が向こう10年間は利潤を生むと予想。その後は石油需要が減少に転じるとした。
ビトルはプラスティックへの需要が2030年代に入ってからも伸び続け、ジェット燃料の需要は2040年代に入っても伸びると予想。
天然ガス価格は、とりわけ欧州で年初から急騰している。低水準の在庫と供給量、ならびにアジアの堅調な需要が背景にある。
ガンバーのトルンクビストCEOによると、風力や水力発電のような再生可能なエネルギー源は、欧州でのエネルギー不足を補えていないという。
ビトルのハーディーCEOは「ガス相場は国内的に、そして一部の業界にとって手が届かない水準に達した」と分析。ただ、液化天然ガス(LNG)価格は現在の1MMBTU(100万英熱量単位)当たり35ドルから来年は15ドル前後に下落すると予想した。
欧州の大手石油商社、1年後の原油価格で見方分かれる - ロイター (Reuters Japan)
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