経済産業省が6日に発表した4日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、9月27日時点の前回調査と比べて1円30銭高い160円ちょうどだった。原油高の影響で2018年10月以来、3年ぶりに160円台となった(6日付共同通信)。
ガソリン価格の上昇はこの先続くことも予想される。それは原油価格のベンチマークともいえるWTI先物が78ドルの壁を越えてきたためである。次の節目は100ドル近辺となる。
今回の原油価格の上昇の要因としては有力産油国による大幅増産見送りが決定したことなどがあるものの、それ以前に世界的なエネルギー価格の高騰が背景にある。
欧州は石油や石炭などを用いる従来型の化石燃料による発電に替えて、再生可能エネルギーによる発電を推進してきたが天候不良により、再生可能エネルギーによる発電の障害になっていた。
代替として石炭や石油といった化石燃料を用いる従来型の火力発電については、欧州委員会が今年7月に野心的な温室効果ガスの削減目標を掲げて間もないことから、簡単に乗り換えられない。ドイツなどはメルケル政権の下で脱原発を進めてきたことから、原発も選択肢に入りづらい。
残された選択肢として温室効果ガスの排出が少ない天然ガスがあり、中国も欧米に倣い気候変動対策を強化する中で、天然ガスの調達を増やすなどしていることで天然ガスの価格が急騰した。
その中国では、製造業の回復に伴う電力消費に対する石炭の供給不足で各地で停電が続いている。このため、中国はエネルギー使用に制限を課している。
また、インドでも経済活動の再開、産業界向けの電力需要が急増し、石炭火力発電所の半数以上で燃料の在庫がなくなりつつある。インドでは電源構成に占める石炭火力発電の割合が約7割にのぼるとされる。
このような要因によって石炭や天然ガスの価格が急騰している。このため、原油価格にも上昇圧力が加わってきたのである。世界的なエネルギー需要の強まりによって、今後もさらに原油価格が上昇してくることが予想される。
このため今後もガソリン価格が上昇してくる可能性が高いのではなかろうか。これは当然ながら家計にも影響を与え、物価そのものを押し上げる要因となりそうである。
ガソリン価格が3年ぶりに160円台に、世界的なエネルギー需要拡大でさらに上昇することも(久保田博幸) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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