(ブルームバーグ): アジアのバイヤーは価格が急騰している天然ガスの代替財を求め、さまざまな燃料を高額で購入している。
電力危機が欧州からアジアに至る市場を揺るがしており、暖房や発電に利用可能なプロパンやディーゼル油、燃料油などの需要が高まっている。ゴールドマン・サックス・グループは天然ガスの高騰により、年内に原油消費が拡大すると予測。中国は国有企業に対し、冬季に向けいかなる代償を払ってもエネルギー供給を確保するよう指示した。
アジアではプロパンの価格が急伸し、少なくとも2016年以来の高値を付けた。プロパンは家庭のガスコンロなどで使用されるほか、プラスチックの原料でもある。燃料油の価格も最近、前年比で約2倍となった。
電力危機の原因は石炭や液化天然ガス(LNG)など発電燃料の高騰だ。アジアのLNG価格は急伸して最高値を更新しているが、エネルギー安全保障を最優先課題に掲げる中国は、それでもLNGの購入を続けている。
プロパンやブタンなど液化石油ガス(LPG)の供給不足も、アジアの燃料高騰を後押ししている。ボルテクサのアジア主任アナリスト、セレーナ・フアン氏によれば、米国のアジア向けLPG輸出は9月に前月比30%余り減少し、2月以来の低水準となった。世界最大のLPG輸出国であるサウジアラビアは、LPG価格を7年ぶり高値に引き上げている。
エネルギー業界コンサルティング会社FGEのシニアアナリスト、サム・スン氏は「アジアの輸入業者によるLPG購入は冬を前に増加する可能性が高い」と分析。日本の在庫は「かなり少ない」とした上で、LPGとLNGのブレンドについては韓国の需要が向こう数カ月増加すると指摘した。
原題:Fuel Prices Spike Across Asia as Global Energy Crunch Takes Hold(抜粋)
(c)2021 Bloomberg L.P.
Saket Sundria, Elizabeth Low
アジアでプロパンなど燃料価格高騰-電力危機が世界の市場揺さぶる(Bloomberg) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
Read More
No comments:
Post a Comment