ガソリン価格が高騰している。しかし、産油国同士やガソリンスタンド同士の競争により、価格が暴落する可能性も決してないとはいえない。さまざまな観点からガソリン価格下落の可能性を検証してみよう。(経済評論家 塚崎公義) 【この記事の画像を見る】 ● カルテルは崩れやすい ガソリン価格が高騰している主因は、原油価格が高騰していることにある。その一因は、産油国のカルテルが機能していることだ。産油国が原油の需給を引き締めて価格を高止まりさせるために、協調減産をしているのだ。 しかし、協調減産は維持が難しいということが知られている。各産油国にとっては、他の産油国が減産を続けていて原油価格が高止まりしているときこそ、約束を破って増産するインセンティブが大きいからである。 「囚人のジレンマ」という言葉がある。下の図のような状況のことだ。ここでは、「相手が約束を守ったとしても破ったとしても、自分は約束を破ったほうが得だ」ということをお互いが知っている場合、お互いに約束を破ることになり、お互いがひどい目に遭ってしまう。
● 原油価格下落を見越して、売り注文が増える可能性 カルテルが破られて産油国が増産を始めると、投機家たちが原油価格の下落を予想して売り注文を出すことが想定される。それが原油価格を一層押し下げるという事態は十分起こり得る。 産油国自身にとっても、原油価格の下落が増産を促す要因となりかねない。なぜなら、通常の財であれば価格が上がると増産意欲が増すが、たとえば政府の歳出額が決まっていて財源が原油売却代金であるような場合には、原油価格が下がった分だけ多くの原油を販売しないと予算が組めない可能性もあるからである。 石油会社や顧客も、情勢次第では「原油が値上がりしそうだから多めに在庫を持っておこう」と考えることもあるだろう。 値下がりが見込まれるようになると、その分が「過剰在庫」となるため、「当分原油は買わない」と考える需要家が増えることも想定される。 仮に、そうした動きが一斉に出てくると、原油価格が一転して暴落する可能性も決してないとは言い切れないのだ。
ガソリン価格、高騰からの「突然暴落」もあり得る理由(ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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