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Monday, January 17, 2022

22年度の消費者物価、1.1%増の見通し 資源価格高騰で引き上げ - 朝日新聞デジタル

徳島慎也

 日本銀行は18日、2022年度の消費者物価指数の上昇率の見通しを前年度比1・1%とし、21年10月の前回見通しより0・2ポイント引き上げた。資源価格の高騰などが理由。国債の大量購入など大規模な金融緩和の枠組みは維持するとした。

 この日の金融政策決定会合で決めた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で示した。14年10月以降、「下振れリスクが大きい」としてきた物価の見通しについても、「おおむね上下にバランスしている」という表現に見直した。

 見通しを変えた最大の理由は、欧米の経済回復に伴う需要の増加で原油価格などの高騰が続いていることだ。昨春以降、物価を1・1%程度押し下げていた国内の携帯電話の通信料値下げの影響が22年4月以降なくなることも要因になった。翌年度の上昇率の見通しが1%を超えるのは、コロナ禍前の19年10月以来。

 インフレが加速している米欧の中央銀行は金融緩和の縮小に動いているが、日銀は当面、物価上昇を静観する構えだ。米欧に比べ、物価上昇の勢いは弱く、一時的と判断しているためだ。この日同時に公表した23年度の物価上昇率は22年度と同じ1・1%で、いずれも日銀が目標とする2%には届いていない。

 22年度の実質GDPの成長率の見通しは政府の経済対策の効果などを考慮し、21年10月時点の判断より0・9ポイント引き上げ、プラス3・8%としたが、23年度にはプラス1・1%まで下がると見込んだ。日銀は物価上昇の勢いは続かないとみていて当面、経済を支えるために今の金融緩和を続けるとみられる。

 ただ、金融政策の違いから今後、日米の金利差が拡大し、円安がさらに進む可能性がある。日本は資源の多くを輸入に頼っているため、円安になれば物価はさらに上がる可能性がある。一方で、日銀が目指す「いい物価上昇」のカギとしている賃金上昇の動きは弱い。実質賃金指数は21年11月に前年同月比1・6%減少し、3カ月連続で前年を下回る。賃金が上がらない中、物価の上昇に消費者がついて行けず、景気を冷やす懸念も高まっている。(徳島慎也)

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