カリフォルニア州大気資源局(CARB)は先日、「クリーン車両払い戻し制度(Clean Vehicle Rebate Project:CVRP)」の対象車のリストを更新し、最大2000ドルのリベートの対象となる車両から、テスラのモデル3セダンとモデルYハッチバックを除外した。
リベートの対象となるのは、4万5000ドル以下の乗用車と、6万ドル以下のSUV及びトラックとバンに限られる。同プログラムは、3月15日に実施された値上げによりテスラの車両が対象外になると述べた。
モデル3の価格は、以前は4万4990ドルからだったが、現在は4万6990ドルに値上げされ、税や諸費用込みで5万ドルを超えている。モデルYの主力グレードも5%値上げして6万2990ドルからになった。
イーロン・マスクは、3月13日のツイートで値上げの理由に、材料や輸送コストの上昇を挙げた。「テスラとスペースXは、材料と物流のコストにおいて最近の著しいインフレ圧力を受けている 。そして、我々は一人ではない」と彼は述べていた。
カリフォルニア州は、米国における最大のEVの市場で、数十年にわたり無公害車へのインセンティブを提供してきた。テスラは、州のゼロエミッション車クレジット制度を通じて、他のガソリンエンジン車メーカーに余ったクレジットを販売することからも、何十億ドルもの収益を生み出してきた。
カリフォルニア州は、リベートが受けられるEVの価格を制限するだけでなく、富裕層にリベートを与えないために、所得の制限も設けている。しかし、たとえ2000ドルのリベートが受けられないとしても、EVの需要は今後も伸びる見通しだ。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ガソリンの価格は急騰し、全米自動車協会(AAA)によると1ガロン(約4リットル)あたりの平均価格は5.913ドルと過去最高値を記録している。
マスクは、テスラが最終的に低価格のEVを販売すると述べているが、その試みはほとんど前進していない。同社は2014年にモデル3の価格を3万5000ドルに引き下げると約束したが、その目標は達成できていない。テスラは以前として高級車カテゴリであり、自動車総合サイトのケリー・ブルー・ブックの2月の平均取引価格は6万5837ドルだった。
マスクは、テスラがいずれリチウムイオン電池よりも安価なLEP(リン酸鉄リチウム電池)を使用した安価な車種を発売する計画だと述べている。LFPはまず中国で普及が進む見通しで、テスラはそれがいつになるのかを明言していない。LEPバッテリーはリチウムイオンよりも重く、エネルギー密度も低いが、過熱や発火の危険性が低いとされている。
価格上昇のテスラ車、カリフォルニア州の補助金の対象外に - Forbes JAPAN
Read More
No comments:
Post a Comment