【ロンドン=佐竹実】食品世界最大手のネスレ(スイス)は21日、2022年1~3月期に製品の価格を前年同期に比べ5.2%上げたと発表した。インフレが世界的に進む中、コストを価格に転嫁した。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギーや食料品価格は上昇している。同社は今年中にさらに値上げするとしており、消費の鈍化につながる可能性もある。
ネスレによると、地域別で最も値上げ率が高かったのは北米で8.5%だった。米国の3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比で8.5%と、約40年ぶりの伸び率だった。エネルギーや原材料高で、生産コストは上がっている。マーク・シュナイダー最高経営責任者(CEO)は「コストインフレは急激に進み続けており、今年中にさらなる価格調整が必要になるだろう」と述べた。
1~3月の売上高は前年同期比5.4%増の222億3800万スイスフラン(約3兆円)で、通年の売上高見通しは約5%増で据え置いた。今後さらにコスト高が進み、インフレによって消費が鈍れば業績にも影響する可能性がある。
インフレを受けた製品の値上げは世界で広がっている。米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は20日に5%の値上げを発表した。オランダのビール大手ハイネケンもさらななる値上げの可能性を表明している。
ネスレ、1~3月に5%値上げ 「年内にさらなる価格調整」(写真=ロイター) - 日本経済新聞
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