目指すは上級セグメント
CX-60の国内価格はその発表まで待つ必要があるが、英国を筆頭とする欧州での価格設定を見るかぎり、高価なPHEVモデルでもRAV4 PHVの価格帯(500万円前後)から大きくハズれるとは考えにくい。また、日本での当面の売れ筋はガソリンやディーゼルのマイルドハイブリッドとなるはずだから、国内スタート価格は300万円台になるのでは……と勝手に予想しておく。
マツダはそもそも「世界シェア2%という現状の販売規模のまま、独立した自動車メーカーとして単独で生き残る」ことを経営方針としている。そのためにも1台あたりの利幅を増やすことがキモとなるのは間違いなく、販売の主力をラージ商品群に代表される上級セグメントに移行させようとしているのは事実だろう。
実際、藤原清志マツダ副社長兼COOも「小型車は(マツダでは)収益が厳しい領域」と明言しており、「CX-3」も2022年6月をもって国内生産を終了して、タイとメキシコに移管することになっている。以降は国内向けのCX-3もタイからの輸入となり、欧米での販売は終了するという。ハッチバックの「マツダ2」も欧州向けはすでに「トヨタ・ヤリス」のOEMへと切り替えられつつあり、コンパクトカーは少なくとも電気自動車になるまでは、新興国(と日本国内)向けに特化させるのがマツダの戦略かもしれない。
とはいえ、欧州でのCX-60の価格を見るかぎり、マツダが思い描く未来像は、一部でウワサされるような「割高な高級車ブランドに転身する」とも、ちょっとちがうようだ。ラージ商品群を引っ提げたマツダは、はたしてどうなっていくのか。間もなく……ともいわれるCX-60の国内発表で、その全貌は明らかになるのか?
(文=佐野弘宗/写真=マツダ、トヨタ自動車/編集=関 顕也)
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700万円超の衝撃価格 「マツダCX-60」は“高い”のか? - webCG
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