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Sunday, May 15, 2022

いよいよ発売! 「日産フェアレディZ」の価格は高いか、安いか、妥当なのか? - webCG

2022年夏の発売が予定されている新型「日産フェアレディZ」。その国内販売価格は、同年4月25日に明らかにされた。
2022年夏の発売が予定されている新型「日産フェアレディZ」。その国内販売価格は、同年4月25日に明らかにされた。拡大
ロングノーズ&ショートデッキなスタイリングをまとう新型「フェアレディZ」。リアまわりにはZ32型に似たデザイン処理も見て取れる。
ロングノーズ&ショートデッキなスタイリングをまとう新型「フェアレディZ」。リアまわりにはZ32型に似たデザイン処理も見て取れる。拡大
メーターパネルやセンターコンソールには液晶のディスプレイを配置。一方で、3連の計器など古典的なスポーツカーを思わせるディテールも特徴となっている。
メーターパネルやセンターコンソールには液晶のディスプレイを配置。一方で、3連の計器など古典的なスポーツカーを思わせるディテールも特徴となっている。拡大
「スカイライン」にも採用されている、3リッターV6ツインターボエンジン。「フェアレディZ」のそれは、最高出力405PS、最大トルク475N・mを発生する。
「スカイライン」にも採用されている、3リッターV6ツインターボエンジン。「フェアレディZ」のそれは、最高出力405PS、最大トルク475N・mを発生する。拡大

あのエンジンがあればいい

新型「フェアレディZ」の価格が発表された。524万1500円から696万6300円である。

それぞれのグレードの具体的な装備内容までは発表されていないので、未知数な部分はあるが、それにしてもまさか500万円ちょっとから新型Zが買えるなんて信じられない! 夢じゃないか!? というくらい安い。

まぁさすがに、524万円ちょいの、素の「フェアレディZ」にはあんまりいろんな装備は付いていないのだろう。ホイールはテッチンなのかもしれない。ヘッドランプはハロゲンなのかもしれない。しかしそれでいいじゃないか!! だって、エンジンは上級グレードと同じなんだから! 

自動ブレーキなどのADASも、すでに装備が義務化されているから付いているだろう。今日日、まさかエアコンやパワステやパワーウィンドウや集中ドアロックが付いていないことはあるまい。つまり、「必要なものはほとんど付いている」はずだ。

524万円で、最高出力405PSのV6ツインターボを、6段MTや9段ATを介して楽しめるのだ。あのエンジンは、近年乗ったハイパフォーマンス系ガソリンエンジンのなかで出色のデキだった。ただ性能がいいだけじゃない。色気があるのだ!

ドカーンと加速して「うおおおおお!」とコーフンできるのである。ちょっとアクセルを踏み込む程度の日常的な運転でも、ぐぐっと盛り上がるトルクで「ウヒヒヒヒ~!」とニヤニヤできる。カーマニアの夢のエンジンである。

本文で触れられている“黒い新型「Z」”は存在する(写真)。ボディーカラーの名称は「ミッドナイトブラック」で、往年のZを思わせる「バーガンディー」もラインナップされる。
本文で触れられている“黒い新型「Z」”は存在する(写真)。ボディーカラーの名称は「ミッドナイトブラック」で、往年のZを思わせる「バーガンディー」もラインナップされる。拡大
新型「フェアレディZ」のデザインモチーフとされている、初代=S30型フェアレディZ。いまとなっては華奢(きゃしゃ)に見えるたたずまいが時の流れを感じさせる。
新型「フェアレディZ」のデザインモチーフとされている、初代=S30型フェアレディZ。いまとなっては華奢(きゃしゃ)に見えるたたずまいが時の流れを感じさせる。拡大
かつて漫画『湾岸ミッドナイト』で「Z」のライバルとして描かれた「ポルシェ911ターボ」の、現行型の価格は2500万円。そのハイパワー版「911ターボS」(写真)は2947万円。それに比べれば新型Zは、文字どおりケタ違いの安さ! ともいえる。
かつて漫画『湾岸ミッドナイト』で「Z」のライバルとして描かれた「ポルシェ911ターボ」の、現行型の価格は2500万円。そのハイパワー版「911ターボS」(写真)は2947万円。それに比べれば新型Zは、文字どおりケタ違いの安さ! ともいえる。拡大
「プロトスペック」と名づけられた、新型「フェアレディZ」の最上級グレードの価格は696万6300円。MT車とAT車がラインナップされ、同価格となっている。
「プロトスペック」と名づけられた、新型「フェアレディZ」の最上級グレードの価格は696万6300円。MT車とAT車がラインナップされ、同価格となっている。拡大

見た目はもう仕上がっている!

そしてデザインは、『湾岸ミッドナイト』の“悪魔のZ”をほうふつとさせる。つまり「S30」である。いや正確には、ノーマルでS30の最高速仕様っぽくなっている。

私は2021年の新型Z公開時に、隣に置かれたどノーマルのS30を見て、大きな衝撃を受けた。どノーマルってこんなにカッコ悪かったのかぁ! と。トレッドがメチャメチャ狭いし、タイヤとホイールアーチの間隔もガバガバで、まったくもって幻滅だった。初代Zのどノーマルなんて、もはやほとんど存在しないから忘れていたが、あのウルトラカッコいい初代Zも、どノーマルはあんなに情けなかったのか……。

それを思えば、新型Zは最初から悪魔のZみたいに仕上がっている。なにも手を入れる必要はないだろう。ボディーカラーは黄色ばっかり見るが、黒だったら完全に悪魔のZではないだろうか!? 正確には悪魔のZは「ミッドナイトブルー」なんですよね。でもマンガはモノクロなので黒に思えるのです。黒い新型Zは、たぶん悪魔のZだと思います!

それがたったの524万円で買えるのだ。悪魔のZのライバルは“ブラックバード”こと930型「ポルシェ911ターボ」。その中古価格が、いまいくらになってるか知ってますか!? 私もよく知らないけど、2000万円くらいでしょ? 新車の911ターボなんて、ヘタすりゃ3000万円でしょ!? それと比べたらタダみたいなもんじゃないですか!

一方、一番お高いグレード「プロトスペック」の696万6300円というお値段を見ると、「そんなに安くはないなぁ」と感じます。700万円という価格はかなりのものじゃないでしょうか。「スープラ」の直6ターボよりかなり安いけど、スープラはBMWだから、ガチで比較するのはちょっと難しいかも。

でもね、「スープラRZ」のBMW製直6ターボよりも、新型ZのV6ツインターボのほうが色気があって、カーマニア的に面白いと思うのですよ! その他の性能は付け足しみたいなもん。新型Zはスープラに対して、デザインでもエンジンでも圧勝している。それでいて値段はずっと安いのだ! これがお買い得でないはずがないっ! 新型Zは、世界で一番お買い得なハイパワー系スポーツカーではないだろうか!

(文=清水草一/写真=日産自動車、ポルシェ/編集=関 顕也)

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