10日の東京株式市場で太平洋セメント株が一時、前日比189円(10%)高の2139円まで上昇した。同日朝、石炭価格の上昇をセメント販売価格に反映させる仕組みを導入すると発表した。石炭は製造時の燃料として使うが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて価格が急騰している。収益の改善期待から買いが集まった。
終値は132円(7%)高の2082円だった。この日の東証プライム市場の上昇率ランキングで5位となった。
この「サーチャージ制度」は9月に始める。石炭1トンあたり2万2000円を基準に超過分の9割を顧客に転嫁し、製品価格と別に請求する。石炭価格は4月時点で3万円超まで高騰している。2023年3月期の業績見通しを開示できず、経営の不透明要因になっていた。
サーチャージとは別に、同社は1トンあたり2000円の値上げ交渉も進めている。供給過剰のセメントの値上げはこれまで難しかったが、東海東京調査センターの清田涼輔アナリストは「新制度を打ち出せたということは、値上げ交渉も進んでいる公算が大きい」とみる。国内セメント市場は縮小傾向にあるが、利益率の高い海外展開をいち早く進めたことも評価につながっている。
太平洋セメント一時10%高 価格転嫁制度の導入を好感 - 日本経済新聞
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