ウクライナ情勢などによる原油価格や物価の高騰で、宮崎の基幹産業である農畜産業が窮地に立たされています。生産現場は厳しい状況が続き、農家からは悲鳴があがっています。
(藤崎 祐貴 キャスター)
「トウモロコシなどの価格の高騰で深刻な打撃を受けている畜産業。農家からは『廃業も考える危機的状況だ』という声が上がっています。」
JA尾鈴養豚部会の部会長を務める小野和博さん。
原油価格の高騰やウクライナ情勢などにより飼料価格が高騰し、主原料であるトウモロコシは2年前の約2.5倍となり、1カ月あたり200万円から300万円コストアップしたということです。
(JA尾鈴養豚部会 小野 和博 部会長)
「養豚を始めて40年になりますけど、初めてです。副原料も当然上がっていますし、資材など全てが上がってますから、人によっては廃業を考える方もいると思います。」
また、川南町で約300頭の豚を肥育する佐光剛さんは、制度の見直しが必要だと訴えます。
(肥育農家 佐光 剛さん)
「安定基金など色々(制度が)あるんですけど、上限もあるし1回のみですし、そういった制度の見直しもしていかないと。このままいけば、まだ(状況は)ひどくなります。」
先行きが見通せない中、宮崎の基幹産業である畜産業は厳しい局面を迎えています。
(JA尾鈴養豚部会 小野 和博 部会長)
「いつがピークだったとかが分かれば、それに対して努力しますし、今もやってます。ですが限界があります。(現状は)個人の努力でどうにかなるものではないです。非常に厳しいです。本当に厳しいです。」
(末永 進吏 記者)
「原油や物価の高騰が続く中、園芸農家も影響の長期化を心配しています。」
宮崎市佐土原町でキュウリを生産しているシナジーファームの西岡征志郎さんです。
今シーズンのキュウリの収穫は6月末までですが、西岡さんは価格高騰が秋以降のシーズンにどう影響するかを不安視しています。
(シナジーファーム 西岡 征志郎 代表)
「肥料やビニール、鉄骨、農薬、段ボールも軒並み値上がりしています。」
西岡さんによると、2021年と比べての値上げ幅は農薬が10%、燃油が13%、ビニールなどの資材が30%、肥料に至っては主要産出国であるロシアのウクライナ侵攻などにより、77%も値上がりしていると言います。
(シナジーファーム 西岡 征志郎 代表)
「なんとか在庫で調整しているというのが現状なのですが、その在庫も尽きてしまって、対策がほぼない状態であります。」
農産物の販売価格は、市場の需給バランスに左右されるため、生産コストが上がった分が価格に転嫁されづらいことも生産者を苦しめています。
(シナジーファーム 西岡 征志郎 代表)
「いつ価格転嫁されるのかがわからないので、果たしてそれまで持ちこたえることができるのか。宮崎の農畜産物の品質は落としたくない。ここは生産者が踏ん張って、いいものを継続的に作っていかないといけない。」
飼料や肥料など価格高騰いつまで…「対策も尽き…今が踏ん張りどころ」農家は悲鳴 宮崎県 - FNNプライムオンライン
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